冷静に装っているつもりでも、思わず感情が爆発して怒りが表出してしまうことは、人間誰しもあります。(仙人か仏様のように「できた」方は別ですが)
その爆発が大きいか小さいか、表出の影響が多大かどうかはさておき、怒りの表現は周囲に良い影響を与えるものではありません。
怒りの感情が出てきた時に、上手くコントロールできればベストです。しかし、怒りが大きければ大きいほどコントロールは難しく、怒っている自分に気づいて「やってしまった」と思うけど振り上げた拳を下ろせず、ますます怒ってみせる、などの場合が多く見られます。
怒りは感情であり、感情のコントロールは、人は直接的に行うことはできません。怒りを抑えることができた、ぐっと飲み込めた、などは、怒りを直接コントロールしているのではなく、別のコトをすることによって間接的に怒りをコントロールしているのです。
相手にするだけ馬鹿らしいと考えた。ムッと来た瞬間に深呼吸した。などは、馬鹿らしいと考える、深呼吸という行動をすることにより、怒りという感情をコントロールできています。
つまり、怒りを直接コントロールすることはできなくても、間接的にコントロールすることは可能というわけです。
では、既に爆発させてしまった怒りを収束させるにはどうすれば良いのでしょう。考え方は同じで、考え方(見方)を変えてみる、何かしらの行動を取ることで、怒ってしまった怒りをコントロールしてみましょう。
「あ、自分は感情的になっている」と気づいたら、「今更、後に引けない」と小さなプライドにこだわらず、「みっともない人間になるのはやめよう」「ゆっくり大きく息を吐き出して、ネガティブ感情も追い出そう」など、思考と行動に働きかけるのです。
言い過ぎてしまった、大人げなかったと思っているのであれば、「言いすぎました」「この表現は不適切でした」と素直に言葉にしましょう。そう行動することで、怒りも幾分か鎮まっているかもしれません。後に引けずいつまでも怒っているよりも、こんな風に言葉にできるあなたの方が、何十倍も素敵な人と相手は感じることでしょう。
怒りを直接コントロールできないけれど、間接的になら可能です。
それが間に合わずに爆発してしまったとしても、気づいてからが勝負です。
多くの場合、人は、順境の時よりも逆境の時にその本質がわかる、人としての真価が問われるのです。怒り大爆発の状態は、あなたの「人としての魅力」にとっては逆境の時です。そのままつまらない人間に落ちてしまうか、振り上げた拳を見事に下ろして「さすが」と相手に感服させるか。どちらの道を選ぶのも、すべてはあなた次第です。