やらかした失敗談
異業種から「営業のスペシャリスト」として鳴り物入りで転職してきたマネージャーがいた。
彼は「良い人」だった。
ポジョションは私と同列。
私は「自分の地位が脅かされる」と思った。
部下が見つけてきた新規のお客様の営業同行に彼も参加してもらい、私のプレゼンを見てもらった。
そして次回からは、そのお客様のフォローを彼に任せた。
「必要な知識等はやりながら覚えれば大丈夫です。私もそうでしたから。」などと軽く言い放ち、
彼が戸惑いを見せても「私もできたから」と取り合わなかった。
「〇〇社での経験と実績があるんだから大丈夫でしょう」と突き放し、
彼の不安には一切寄り添わなかった。
別のお客様の案件で、彼が「同行してほしい」と頼んできたので一緒に行った。
しかし、彼のお客様に対する説明には不十分な点があった。
そこで「振り返り」と称して、喫茶店でお茶を飲みながらフィードバックという名の嫌味を言った。
きっと彼は、思いっきり自信をなくしたと思う。
私も転職組で、すべてを自力で覚えて身につけた。
だから、彼も当然そうすべきと考えていた。
自分も経験したはずの転職マネージャーとしての心配事や不安に一切寄り添おうとせず、
わかっていて突き放した。
その結果……
彼は3か月の試用期間を待たずに退職した。
社内では、「私が冷たかったから辞めた」という噂が立った。
実際、私は彼に冷たかった。
「男のくせに、しかもマネージャーのくせに、鳴り物入りで入ってきたくせに、
人に頼らず自分で道を切り開けないなら、営業のエキスパートなんて名乗るな!」
と、心の中で冷ややかに思っていた。
と同時に、自分の立場が脅かされずに済んだことに、どこか安心していた。
……マックロクロスケな私がいた。あぁ、恐ろしや……。
今だから言える教訓
✔ 嫉妬や不安が原因で、人を潰す行動をとってはいけない。
★ 相手を潰しても、自分の成長にはならない。
✔ 転職者には、適切なサポートが必要。
★「自分がこうだったから、相手もそうするべき」という思い込みは危険。
✔ 強く見える人ほど、不安やプレッシャーを抱えている。
★ 「助けてほしい」と言えない人もいる。マネージャーこそ、そういう人に寄り添うべきだった。
あなたはどう?
部下や同僚に対して、無意識に厳しく当たってしまったことはありませんか?
もしかすると、それは「相手のため」ではなく、「自分の不安」からくるものかもしれません。