マネジメント・リーダーシップ

感情表現のズレ、なぜ起きる?数値化で変わる伝え方のヒント

「すっごく嬉しい」「めちゃくちゃ大変だった」
こうした感情表現は、日常の中に自然と溢れています。
しかし、同じ言葉でも、使う人によって“重み”や“基準”は異なります。

たとえば、ある人の「すっごく嬉しい」は10点満点中の9かもしれませんが、
別の人にとっては6程度かもしれません。
感情や感覚の表現は、個人の主観に大きく依存しているので、
使う言葉は「すっごく」で同じでも、その中身が同じとは限らないのです。

ここで気をつけなければならないのは、
発する側の「すっごく」と、受け取る側の「すっごく」も、異なるということです。

この“ズレ”を埋める手段のひとつが、数値化という工夫です。
医療現場でも「痛みの度合いを0〜10で教えてください」といった問診がよく使われます。
同じように、ビジネスの現場や日常のコミュニケーションでも、
「それは10段階で表すと、どのくらい?」という問いかけを加えるだけで、
認識の共通化がぐっと進みます。

たとえば、部下から「今回のプロジェクト、きつかったです」と言われたとき、
「きつさの度合いは10段階でいくつくらい?」と聞いてみると、
本人の中の“限界の位置”が明確になります。
「5点です」と言われればまだ多少の余裕はありそうですし、
「9点です」と返ってきたら早急なサポートが必要だと判断できます。

私自身、感覚的な表現をよく使うタイプです。
ある日、仕事終わりの帰り道に
「満タン10リットル中、残り0.5リットルくらいしかない…」
と、空腹を、燃料切れになぞらえてつぶやいたところ、
隣にいた友人が笑いながら
「それは大変。ガス欠になる前に」と言ってお菓子を差し出してくれました。
このとき感じたのは、相手の世界観に合わせて理解しようとする姿勢のありがたさでした。

感情や感覚の数値化は、単なる“見える化”以上の効果を持っています。
それは、相手の感じ方をその人の物差しで尊重しようとする姿勢そのものだからです。

「すっごく嬉しい」「かなり辛い」といった言葉の裏にある温度を、
互いに誤解なく共有するために。
ビジネスでもプライベートでも、ぜひ一度この“数値化コミュニケーション”を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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