戦略人事

【金融機関が重視】人的資本経営が中小企業こそ重要な理由

人的資本経営における情報開示の義務化が上場企業に求められるようになったのは。2023年3月決算期からです。
しかし、義務化こそされていないものの、人的資本経営の重要性は中小企業にも同様にあります。

なぜなら、人が育っていない、人が定着しない企業に組織の将来性は乏しく、そのような企業に対して、金融機関は資金融資に二の足を踏むからです。
金融機関にとって一番の問題は、貸し倒れになること。
すなわち、企業の成長が見込めないことです。

企業の成長において、最も必要なものは、戦略でも設備でもなく、「ヒト」に他ありません。
戦略を実行する人。設備を使いこなす人。人の成長なくして、企業の成長は望めない。人

それを理解しているからこそ、金融機関は融資の検討する際、企業の財務諸表とは別に、中小企業であっても人的資本経営がどのように行われているかを、密かにチェックしているのだそうです。

人の育成にどれだけ投資しているか。
人のやる気や成長が、どれだけ生産性の向上に寄与しているか。
離職や休職によってどれだけのコストが発生しているか。

これらを管理会計の仕組みを用いて人的資本ROI(投資利益率:Retunr on Inbestiment)を見える化することは、その企業が、企業の成長性すなわち、企業価値を見える化することと同じです。

例えは、「離職コスト」を例にとります。
人事コンサルティング業界などでよく言われる目安として、従業員が一人辞めた場合のコストは、その社員の年収の約1倍から1.5倍に達すると言われています。
これは、採用活動にかかる費用、新しい社員を育成するための研修費、既存社員が引き継ぎに費やす時間、仕事の生産性が元に戻るまでの期間など、目に見えにくい様々な損失を総合的に考えた結果です。

例えば、年収500万円の社員が辞めると、その損失は500万円から750万円にもなる計算です。
もし、あなたの会社で離職率を1%改善できれば、その莫大なコストを削減できる可能性があるのです。

同様に「休職コスト(メンタルヘルス)」を考えてみます。
月給30万円の社員が3か月休職した場合、人事が対応に費やす時間、既存社員の対応に費やす時間、休職社員にそのまま支払われる給与などから考えると、3か月で150万円近くの何も生まないコストが発生するのです。

人を大切にし、育むことは、企業の未来に繋がります。
戦略は、いつか陳腐化するかもしれません。
設備は購入の瞬間から価値が減少していきます。
しかし、人が持つ可能性は無限大です。
人を大切にし、育むことは、最強の未来への投資なのです。

そのために、何をするのか、何をしないのか。

まず最初の一歩として、「自社の離職コスト」や「休職コスト」をを算出してみることから始めてみてはいかがでしょうか?

人の教育・育成にどれだけ注力しているか。
それは企業価値向上の取組み以外の何物でもありません。

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