マネジメント・リーダーシップ

正しい指導の仕方

「優しくしたくても、部下にキツク言わなければいけない時があります。」
「厳しく言わないと、あいつらはわからないんです。」

こんな言葉を聞いた時には
「キツク言うのは何故?」
「厳しく言うの『厳しい』って、具体的にどういうこと?」
と思います。

目的が「部下に適切な行動を取ってほしい」「正しく理解してほしい」
であれば、マネージャ―が取るべき行動は
「適切な行動を取ってもらうためにどのように言うか」
「正しく理解してもらうためにどのように説明するか」
であり、「キツク」「厳しい」ではないはずです。

部下に何を望んでいるのか。
どこをどのように改善してほしいのか。

それらを具体的に伝えずして、
「もっとちゃんとやれよ!」
「今度同じようなことがあったらボーナス査定下げるからな!」
と怒りをぶちまけ、怖れをちらつかせても何の効果もありません。
(部下の心があなたからますます離れるだけです。)

それは、なかなかヒットを打てない打者に対して、
「ちゃんと打てよ!」
「今度三振したらスタメンから外す!」
と言っているのに等しいですね。

「フォームが悪いから打てないんだ」
ではなく、
「腰をもっとずっしりと落として顎を引いてみて」

「ボールをちゃんと見ろ」
ではなく、
「顎を肩に乗せるくらいに顔をピッチャーに向けて目を大きく見開いて」

「誰に」「何をしてほしいか」「どこを改善してほしいか」
を明確にして、伝わるように伝える。

それが正しい指導のあり方であり、
厳しくすること、キツク言うことは指導でも何でもありません。

新入社員とベテラン社員では経験も知識の量も違うので、
使う言葉や事例の内容も変えた方が良いでしょう。
論理的思考の人と、イメージ重視の人とでは、
その人たちに届きやすい説明が全く異なります。

正しい指導とは、
第一に部下個人をよく知ること。
第二に「何を」「どのように」を部下に響く表現で伝わるように伝えること。

ただ、伝えるのではなく、「伝わるように伝える」のですよ。
部下それぞれの特徴に応じて、「伝わるように伝える」なければいけません。
伝わっていないとしたら、それは部下が悪いのではなく、
上司であるあなたの伝え方が悪かったと思い、更なる工夫を試みてください。

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