マネジメント・リーダーシップ

事例研究:引継ぎ通りやったのに・・・

市川さんは百貨店の外商部で経理を担当している 入社2年目の社員です。

先月、入社以来市川さんを指導してくれていた先輩の大田さんが異動になり、市川さんが大田さんの全業務を引き継ぎ担当することになりました。市川さんは大田さんから教えられたことを忠実に守り、ミスのないよう、正確かつ丁寧に仕事をするよう心がけていました。
なかでも、外商を通じてお買い物をして下さったお得意様へご請求書作成の際には、大田さんからの引継ぎを忠実に守り、細心の注意を払って業務にあたるようにしていました。

ある日、市川さんは外商部の営業課長の久保課長から、お得意様の加藤社様へ出した請求書のことで叱責を受けました。先月、加藤様は大口のお買い物をしましたが、それは加藤様が、札幌にいる加藤様の得意先に贈り物をするためのものでした。品物は宅配ではなく、直接、久保課長がお届けすることが購入の条件となっており、そのために久保課長の出張旅費が掛かっていました。そのため、お品物代金とは別に、久保課長の出張旅費を明記してご請求したものでした。

「市川、先月の加藤様への請求書、お前考えて作ったのか?」
市川さんは突然の久保課長からの叱責に驚きました。大田先輩から教えられたとおりに作成したのに何が間違えていたのだろう・・・。
「大田さんからの引継ぎの通り、今までと同じに作りましたが・・・」
「出張旅費の起点が何で俺の自宅になってるんだ?契約は会社起点だろう?確認したのか、お前は?」
「過去の請求書を見ると加藤様のご請求書に関しては営業担当の自宅起点になっていましたので、契約書は会社起点になっていましたが、引継ぎを忠実に守りました。」 
市川さんは自分は忠実に業務を行ったにもかかわらず、いきなり久保課長から怒られ、ムッとして答えました。

すると、久保課長の怒りがますますエスカレートしました。
「ばかやろう! ちょっとは頭使って仕事しろ!!! すぐに請求書を作り直せ!」

市川さんは、大田先輩からの引継ぎを忠実に守っただけなのに、いきなり久保課長から頭を使えと怒鳴られ、ひどく落ち込んでしまいました。

市川さんの直属の上司であるあなたは、久保課長との一件を市川さんから報告を受けました。
あなたは市川さんに、どんな関りをしますか?
久保課長に対してはどうですか?

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