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研修で「いいな」と思う人

講師やファシリテーターとして登壇している時、「あ、いいな!」と思う人が何人かいます。
逆に、「う~ん、ちょっと残念・・・」と思う人もいます。

特別な発言をしたからとか受講態度が悪かったとかではなく、何か感じるもの、その人から発せられるエネルギーのようなものがあり、それが「いいな」とか「残念」という印象になるのです。

そんな時、私は正直にその印象をご担当者様にお伝えすることにしています。
「AさんとBさん、いいですね。」
すると9割以上の確率で、「いいでしょ!A君は〇〇で、B君は△△で、うちのホープなんですよ。」
「へ~、そうなんですね。とってもいい感じですよ。」
たいていはこんな感じの会話になります。

「Xさんは、ちょっと残念な感じがするんですが・・・・」
「ああ、彼は今、〇〇でパフォーマンス落ちていて、上司からも厳しい評価もらってるんですよね。」
この場合も、9割近い確率で残念についての会話が続きます。

私はスキル研修をお届けしているわけではないので、皆さんの業務に必要な知識やスキルの習熟度、日常のパフォーマンスがどうかは知る由もありません。
しかし、たいていの場合、始まって1時間もしないうちに「いいな」「残念」と印象は得られのだから不思議です。

「なぜかな~」と考えていた時、以前、大手生保で役員を務められていたKさんの話を思い出しました。

Kさんがいつも行くラーメン屋さんのおばちゃんが保険に入りたいというので、Kさんのメンバーの顔写真を数枚持って行き、おばちゃんに誰から入りたいかを選んでもらうことにしました。
そのメンバーたちはKさん同様、そのラーメン屋さんによく行っているらしく、おばちゃんはみんなのことを覚えていました。
「おばちゃん、こいつらの中で、好きなやつを担当につけるから」
おばちゃんは一人の写真を指差して、「じゃあ、Mさんかな」とMさんを指名したのです。
「ほ~、おばちゃん、さすがだね!Mは、去年のチャンピオンで、今年もトップ走ってるよ。知ってたの?」
するとおばちゃんは笑いながら言いました。
「そんなの知るわけないじゃない。私はみんながラーメン食べてるとこしか知らないよ。お店に来た時の雰囲気かな。」

Kさんはおばちゃんの話を聞いて思ったそうです。
できるヤツというのは、「その時」だけじゃなく、「平生」もちゃんとしていて、その雰囲気(オーラ)が自然とにじみ出ることで、更に自分のファンを増やしていくのではないか、と。
逆に言えば、「平生」をきちんと整えることが仕事の成果を出していく最初の一歩ではないかと。

「ラーメン屋のおばちゃんは見とるで~」
関西弁で笑いながら話をしてくれたKさんでしたが、おばちゃんが感じたことと、私が現場で常々感じていることは、おそらく同じことなのだと思いました。

その雰囲気とかオーラとかを言語化して説明するのは私には難しくてできません。
しかし、「デキる」人は仕事以外の場面でも、つまり、平生においても「良いオーラ」が出ていることは間違いありません。
それはやはり、「平生」を整えることでデキる人への一歩を踏み出していけるのだと思います。

ラーメン屋のおばちゃんは見とるで~
よろしく
インフィニティのおばさんは見とるで~

自戒の念も込めながら、平生を整えることがいかに大切かを思うのでした。

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