たくさんのDMが我が家にも届きますが、その多くは開封しないまま古紙回収袋へ放り込みます。
取り合えず見てみようかと思うものは、私が好きなお洋服のブランドからのNew arivalのお知らせ。
と言っても、たくさんあるわけではなくほんの数社です。
大抵の場合、カタログと一緒にショップの店長または担当者の手書きのお手紙が添えられています。
秋冬物が出そろう季節になったこともあり、ここ数日で何通かのDMが届きました。
A社 秋の50周年フェアがいよいよ開催です。一押しは11ページの〇〇です。お越しをお待ちしています。
B社 しばらくお目にかかっていませんがお忙しいのでしょうか?この秋冬も尾藤様のお好みのお品が豊富に揃っております。ご来店をお待ちしております。
C社 秋にはまた出張でお忙しいと仰っていましたね。この秋冬のお仕事にも大活躍し、昨年ご購入いただいたニットとも相性抜群のボトムスが入荷しております。カタログはネイビーですが、尾藤様のお好みのベージュもございます。フェアでお目にかかれましたら嬉しく思います。
あなただったら、A社、B社、C社からのそれぞれの手紙を読んで、何を感じますか?
皆さん、丁寧に一文字一文字書かれていることは、便箋を見るとすぐにわかります。
しかし、A社、B社、C社では全然違いますよね。
A社はお決まりの文句をただ書いたという印象。私宛でなくても通じる内容です。
それに、A社の一押しかもしれませんが、それは私の好みでは全くありませんでした。
ちょっと残念な気がいたします。
B社はお付き合いも長いので私の好みをよく知っていると思うのですが、ただ、豊富に揃っているとだけ言われても、そう簡単には重い腰が動きません。具体性がないというか、これもある意味、お決まり文句に私の名前を当てはめただけと取られても仕方ない内容のように感じます。
C社の内容は、私のために書かれた文章であることが一目瞭然ですね。半年も前にショップでお買い物した時の私との会話を覚えてくれており、それをさりげなく記しています。更に、私がそのブランドに求めているお洋服の用途と私の好み&私に似合う色や形をしっかりと理解したうえで、「おすすめ」として提案してくれています。
更に、この担当者さんは、9月のカレンダーにいくつかの赤丸印をつけ、「私事ですが、赤丸の日、私はお休みをいただきます」と小さく補足していました。
まさに私のために時間をかけて書いてくれたものであり、そこには前回の私との会話や購入履歴を思い出しながら、今のお品との相性などを考え、更に、自分がちゃんと出迎え接客したいのでお休みの日も伝えておきたいという、担当者さんの気持ちが溢れ出ています。
C社さんからお手紙を受け取った後、私は自分のスケジュール帳と彼女の赤丸印の日を見比べて、いつだったら大丈夫かなと出かける日を考えました。
A社もB社も好きなブランドです。
しかし限られた予算。
であれば、最初にC社を訪れ、まずそこを見て気に入ったものがあったらC社で購入したいし、私を思ってわざわざレターを書いてくれた担当者さんとのお喋りも楽しみたい。そんな風に思ったのです。
もし、C社で食指を動かされるものに出会わなかったら、その後にA社とB社に行けばいいかな、と。
たかだDM。されどDM。
DMだからと無機質な内容でかまわないというものではありません。
やはり、一人一人に向き合い、相手のことを思ってその人に対して自分の言葉で語り掛ける、そんなDMには心惹かれます。
A社はA社が売りたいと思うものを勧めてくれました。
B社はB社が揃えたものの中に欲しいものがきっとあると思うよ~というアピールでした。
C社は私が欲しいと思う〇や△があるのでどうですか? という具体的内容です。
DMに限らず営業における基本はC社ではないでしょうか。
そう言えば・・・・
旅行会社時代、北海道キャンペーンとか、ハワイキャンペーンとか、色々としかも頻繁にキャンペーンなるものがありました。
そのキャンペーン地にお客様を誘導するのが優秀な営業マンだという風潮もありました。(今はないと信じたい・・・・)
それに反して私は、「お客様がいらっしゃりたいところをお勧めします。キャンペーンなんか知らん!」と偉そうに豪語しておりました。
その言い方、偉そうな振る舞いは反省すべきですが、スタンスは決して間違っていなかったと今でも思っています。
自分たちが売りたいものを売るのではなく、お客様のニーズを満たしてご満足&笑顔になっていただけるものをご用意する。
それが全ての基本だと私は思います。