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相手の声に寄り添う

最近、コールセンターのオペレーターの方と話す機会が複数回ありました。

私はお客様の立場でいずれも少し込み入った内容だったのですが、残念ながら、気持ちよく電話を切った覚えがないのです。

それは、電話の目的が達成できなかったということではなく、オペレーターさんとのやり取りに少なからず不満を感じたからです。

例えば・・・

 

私 今日、10時から12時の間にご連絡を頂くことになっていたインフィニティの・・・

(まだ私がしゃべっている途中で)

オペレーター(以後、「オ」と記載) 確認しますのでお電話番号をお知らせください。

私 〇〇〇〇〇です。

オ 本日9時10分におかけしましたがお留守のようでした。

私 はい。ですから10時から12時の間と伺っていたので、9時10分はまだオフィスは不在でした。それで、留守番電話にまた掛けるとメッセ―ジが残っていたのでお待ちしていましたが、13時を過ぎてもご連絡がないので・・・

オ それでは今から担当に折り返しかけさせますので、今からご在宅ですか?

私 オフィスですので誰かは出ますが、私はこれから出かけてしまいますので・・・

オ それでは何時でしたら可能ですか? そのお時間におかけいたします。

 

こんなやり取りがありました。

また、別の電話ではこんなのも。

 

私 〇〇を申し込みたいのですが・・・

オ それではお申込みについての注意事項をご説明します。〇〇〇〇〇

私 すみません。もう少しゆっくりとお話いただけますか?

オ 〇〇〇〇。ご不明点はありますでしょうか?

私 すみません。〇〇のところについてですが・・・

オ 〇〇〇〇 です。

私 あのぉ、何度もすみません。〇〇のような場合はどうなのでしょうか。

オ 先ほどお伝えした通り〇〇です。

 

私がたまたまハズレだったのでしょうか。

いえ、コールセンターのオペレーターさんに限らず、対面営業の方でさえ、こういうタイプの方に結構出会います。実際、先日も某携帯電話会社の窓口の方がそうでした。ひたすら専門用語を駆使して話し続け、70代と思しき男性は困惑なさっていました。

オペレーターさんに限らず、すべての対人のお仕事をしている方にお伝えしたいのは、自分が言いたいことをお話しするのではなく、まず相手に寄り添ってほしいということです。

相手が話をしている途中で遮って、「あ、この人はこういう用でかけてきたのね。はいはい。」と事務的に済まさないでほしいのです。もし、相手が言いたいことが想像でき、その通りであったとしても、最後まで話をさせてほしいのです。

私は最初のオペレーターさんとの何度かのやり取りの際、我慢の限界を超えそうだったので、「すみません。最後まで私の話を聞いていただけますか。」と言ってしまいました。

 

また、何かを説明する際には相手の理解度を推し量っていただけるとありがたいです。説明するということは、トリセツを上手に読むことではなく、お客様にしっかりとご理解いただき、不安を払拭し、安心して次へ進んでいただくための大切な事です。それを、立て板に水のごとく話されても、言葉面は分かっても、理解できたか、納得できたかというと、私は否でした。

それでも対面であれば、相手の表情で物事を推し量ることができます。では、顔が見えないオペレーターはどうすれば良いのか。

 

それは、「相手の声に寄り添う」ということです。

人は視覚情報から受ける影響がとても大きいのですが、是非、相手の「声」に寄り添い、声から感じ取れる相手の感情を読み取ってほしいのです。

どんなに笑顔で「大丈夫」と言っても、心に不安や心配事を抱えていると、その微妙な心の揺れは声に表れるそうです。同様に、喜び、怒り、哀しみ、楽しみなどの感情も、言葉や表情がその真逆であったとしても声にしっかりと表れるそうです。

 

相手の顔が見えないオペレーターという仕事だからこそ、全神経を耳に集中させ、伝えることに必死になるのではなく、相手の声にしっかりと寄り添ってみると、そこから新たな何かが生まれてくるのではないでしょうか。

また、日常においても視覚情報にのみ影響されるのではなく、相手の声にしっかりと寄り添ってみる。そうすることで、両親、妻や夫、子供、上司や部下、友人知人などとの更なる良好な関係づくりの一歩が踏み出せるかもしれません。

 

「相手の声に寄り添う」 それは相手の感情、気持ちに寄り添うということなのでしょう。まさに、信頼関係づくりの基礎なのかもしれません。

 

ちなみに・・・

私はこの「相手の声に寄り添う」ことを意識し始めてから、今まで気がつかなかった事に気がつき、見えなかったことが見えてきたような気がします。そして、他人に対して少しだけ優しくなれた気がしています。

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