「あの人はなかなか難しい人なんだよね」
かつての上司がこう評したAさん。
そうなんだ、難しいんだ。
上司もなんだか、避けてるみたいだし。
直接にAさんとの関りがなく、会えば会釈をするくらいで言葉を交わしたこともなかったた私は、上司が評したイメージでAさんのことを捉えていました。
先日、ひょんなことから、そのAさんに仕事で関わる機会がありました。
正確に言うと、それを避けることもできたのですが、私自身がAさんの持つ仕事のポテンシャルにとても魅力を感じ、こちらからオファーをしたのです。
とは言え、最初は迷いました。
「難しいって言ってたよな・・・。なんか、ややこしい感じの人なのかなぁ。」
全く不安がなかったと言ったら嘘になります。
しかし、自分の感覚を信じて、Aさんに連絡をしてみました。
会えば会釈をするだけで、直接、お名刺を交換した仲でもないため、私の名前を聞いてもAさんは全く記憶にないご様子でした。
それならそれで、私としてはありがたいかも。
だって、Aさんに良い印象を抱いていなかった上司のもと、おそらく私もご挨拶だけとはいえ、思いっきりマイナスオーラを発していたに違いないと、自分で思うからです。
何しろ、あの頃の私は、本当に嫌なヤツだったので。
驚いたのは、Aさんはとても丁寧で腰が低く、ユーモアとウイットに溢れて、かつての上司から聞いていたのとは全く違うお人柄だったことです。
「えぇぇぇぇ~~~」
心の中で、そんな叫び声をあげながら、Aさんと気持ちよくやり取りを終え、つくづく自分の愚かさを恥じると共に、今回、思い切ってAさんにコンタクトしたことを良かったと思ったのでした。
誰かのフィルターでモノを、人を見るのではなく、自分の目でモノを、人を見る。
これは、常々、私が口を酸っぱくして周囲に言っていることです。
「人の意見に惑わされないで、自分で見て、聞いて、確かめて、自分でジャッジするんだよ。」
できているつもりでも、できていなかった私。
かつての上司の見方が間違っているというつもりはありません。
彼にはそう映った。
けれども、私には違うように見えた。
ただ、それだけです。
100人いれば100人の見え方があり、感じ方があり、受け止め方がある。
ただそれだけの事。
なのに、他人のフィルターをそのまま受け継いで、自分の目でしっかりと見ないのは、とても愚かなこと。
もったいないこと。
そして、相手に対してとても失礼なことだと思います。
今回は本当に勉強になりました。
自分の目で確かめる。
当たり前の事なのですが、ついつい、それを怠ってしまうこともありがちです。
自戒の念を込めて。
あなたは自分の目でちゃんと物事を見つめていますか?