「10時半の待ち合わせね」
Kさんとそう約束したのですが、当日の朝になって
「ごめんね。15分遅れます。」
とメッセージがありました。
またかぁ・・・
するとしばらくしてまたメッセージが。
「本当にごめんなさい。電車に乗り遅れてもう少し遅れます。」
その時点で10時10分。
早めに家を出た私は既に、待ち合わせの場所に着いていました。
Kさん、前も遅れたんだよね。
遅れた理由はきっと〇〇なんだろうな。
全くぅ・・・
と、ほんの少しだけ不機嫌になってしまい、どう返信しようかと考えていた時、この言葉が頭をよぎりました。
「成事は説かず 遂事は諫めず 既往は咎めず」
(せいじはとかず すいじはいさめず きおうはとがめず)
済んだことは言い立てず
取り返しのつかないことは諫めず
昔のことは咎めない
「全くぅ。もう着いちゃったんだけど・・・。待ってるよ~。」
と、危うく返信するところでした。
つまり、昔のことを取り立てて、済んだことを言いたてるところでした。
まずい!と一番感じているのはKさん自身で、彼女自身は既に恥じているだろうし、次こそは気を付けようと思っているだろうし、申し訳ないとも感じていることでしょう。
嫌みの一つも言って彼女が時間通りに来るのであればそれもアリかもしれませんが、そんなことは起こりようもありません。
それよりも、相手の気持ちを慮り、温かな陽だまりのように応援できる人でありたいものです。
「改札右手にコーヒーショップがあるから、そこでコーヒー飲んでるよ~。慌てて転ばないでね~。」
そう返信し、皮肉メッセージを送らずに済んだことに胸を撫でおろしました。
成事は説かず 遂事は諫めず 既往は咎めず