マネジメント・リーダーシップ誰だって変わることができる

メンバーのクスクス笑いがイラつくんです。

「メンバーのクスクス笑いがすっごいイラつくんです!。」

こんな相談を若手女性マネージャーのYさんから頂きました。
詳しくお話を聴いてみたところ、外国籍の20代半のメンバーMさんのことにYマネージャーは随分と憤慨しているようでした。

チームで一緒に取り組んでいるあるプロジェクト。
Yマネージャーも含めて全員が初めての挑戦。
上手くいくこともあればそうでないこともあり、Yさんを含めた5人全員が知恵を振り絞って悪戦苦闘の日々のようです。

ズッコケて全員で大笑いすることもあれば、一生懸命やっての間違いでアレレ?ということもある中、Mさんは、誰かが一生懸命取り組んで間違ってしまった時にもクスクス笑いをしていて、皆、不愉快に思っているとのことでした。

「それ、Mさんに言ったの?」

私からの問いかけにYマネージャーの言い分はこうでした。

「いいえ、言っていません。彼女、日本人の感覚、わからないんですよ。空気読めないというか。真面目にやってる人の間違いを笑うとか、あり得ないと思いませんか?」

「日本人でないなら日本人の感覚分からなくても不思議じゃないよね。まあ、日本人でもそうでない人もいるけど。わかんないんだったら、言ってあげないとますますわからないんじゃないの?」

「言っても無駄です!」

「どうして?」

「なんか、感覚違うし・・・」

「それで、ずっと不愉快なままいるの?」

「いえ・・・  実を言うと・・・ みんなはそこまで感じていなくて、私が彼女に笑われることにとても不愉快に感じているんです。」

「そっかぁ。Yさん自身がイヤなのね。」

「はい・・・」

「イヤだって言ったら?」

「だって、なんか、大人げないじゃないですか。マネージャーなのに・・・」

「でもイヤなんでしょ? そのモヤモヤの感覚が、Mさんと接する際に何らかの障害にならないなら問題ないけど。どう?」

「・・・。ちょっと冷たくしているかも・・・」

「だよね。それ、Mさんからしてみたら却ってつらいかもよ。理由が分からず冷たくされていると感じていたら。
彼女のクスクスをイヤだと思っていても、Yさんの彼女に対する態度が何ら通常と変わらないならいいけど、そうでない、悪影響を与えているのなら、イヤだからやめて言う方が、私は良いと思うけど。」

「・・・」

「マネージャーだって人間だからね、イヤなものはイヤだよね。一生懸命やってのミスを笑うのは、ましてやクスクス笑いは、相手にとって失礼だって教えてあげるのは、Yさんに対しての問題だけでなく、他の人に対してやっちゃうかもしれないし、必要な指導だと私は思うけど。」

「そうかもしれません。」

「Mさんに悪気はないんだろうし、知らずに相手の気持ちを害している方が辛いよね。言ってあげる方が親切じゃないのかなぁ。」

こんな会話をYマネージャーと進めました。
第三者の話かと思いきや、実は当の本人の話だったということはよくあることです。
Yさんは素直に自分の事だと打ち明けてくれたので、突っ込んだ話が具体的にできました。
他人に仕立てての話だと、どうしても上っ面の話しかできなくて、ピントがずれてしまうこともあるからです。

それにつけてもマネージャーという肩書は面倒ですね。
私はマネージャーだからこんなこと言ったら・・・
いえいえ、良いのですよ。
マネージャーだって人間なのですから。
ただの役割だと割り切って、自分の気持ちには正直になる。
それこそがメンバーと真正面から向き合い、心からの繋がりが生まれる第一歩だと思います。

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