マネジメント・リーダーシップ

宿題のおかげです!

研修と研修の間に取組みをお願いしている「宿題」
あくまでも大人の研修ですので、仮に実施していない人がいたとしてもとやかく言うことはしません。
しかし、宿題実施からの気づき、学びにかなりの時間を割いて(2時間から時には3時間強)行うため、実施せずに次の研修に臨んだ場合、気まずい思いをしたり、そこにいる時間が無駄に過ぎてしまい後悔するのは当の本人のようです。
そこからでも気づく、学ぶことはあるので、私は敢えて何も言わないのですが。

そんな宿題振り返りの時間。先日、某企業様において、何とも嬉しい報告がありました。
それは・・・

退職を決意していたメンバーに対して、研修の宿題「向き合う・寄り添う」を行ったマネージャーさんがいました。
何故、わざわざ対象として難しそうなメンバーを相手に選んだのかを訊ねたところ、
「ダメかもしれないけど、辞めてほしくなかった。一緒に頑張りたいと思っていた。」
とのことでした。

恐らく、集合研修で会得したメンバとの向き合い方、寄り添い方を一生懸命に取組んだのだと思います。
集合研修で何度も繰り返しお伝えしたのは、知識やテクニックではなく、「相手を思う気持ち」。
決して押し付けるのではなく、相手の価値観、気持ち、考え方を尊重し、「人として」向き合う、寄り添うこと。

その結果・・・

気持ちを聞いてもらえた。
考えを聞いてもらえた。
そして自分のことをしっかりと見ていてくれる。
自分の強みをちゃんと評価していてくれる。
自分が目指したいと思っていることを分かっていてくれる。
目先だけでなく、将来的なステップアップについても考えていてくれた。

そう言って、メンバーさんは退職の意思を翻し、もう一度頑張ってみると誓い、なんと今では、とても意欲的に毎日を楽しそうに働いているとのことです。

「宿題のおかげです!」
と満面の笑顔で語った件のマネージャーさん。

いいえ、宿題のおかげでもなんでもなく、宿題という機会を自らが見事に活かし、研修で得た情報をしっかりと自分で使ってみることによって、知識をスキルに変えた、そのマネージャーさんの姿勢こそが素晴らしいのです。
そして何よりも素晴らしいのは、その振り返りを聞いている同じグループの他のマネージャーさん達です。
そこからそれぞれに必要な気づき、学びをしっかりと掴み取り、自らに置き換え、自らの言葉で自分のケースとして考えるという「大人の学習」を実践していました。

「宿題のおかげです!」
終了後に再びそう言って席を立ったマネージャーさん。

チャンスをどう活かすか。
ネガティブと思える機会もどうポジティブに転じるか。
それは取り組む人次第です。

真剣に、しかし笑顔で楽しそうに振り返りを行う皆さんを見るにつけ、そういう場に関わらせていただいていることがとてもありがたく、感謝の気持ちでいっぱいになるのでした。

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