組織開発

ヤマト問題から「応援してもらえるチーム」を考える

ヤマト運輸のドライバー過重労働問題から料金値上げや配達時間の見直しなど、ICT発達による運送業界の逼迫しつた課題が連日報道されています。

テレビや新聞、ネットなどの論調を見ていて感じるのは、概ねヤマト運輸に同情的、好意的なコメントが多いということです。

実際、私もこれら報道が行われてから自分の行動をとても反省しました。ネット通販を公私ともに使うことが多いため、3日に1度は何かしらの配達があります。今までは気軽に再配達を頼んでいました。ヤマトはメール登録しておけば、事前に荷物がいつ届くから連絡が来るのですが、その日はいないとわかっていても、再配達してもらえばいいやと安易に考え、ワンクリックをして在宅日に届けてもらえるよう手続きをすることをしていませんでした。

また、アマゾンプライム会員なので、注文完了の時には何もしなければ「お急ぎ便無料」「用意できたものから発送する」に印がついています。これらに対しても特に気にすることもなく、普通に注文していました。

 

しかし!

今回の報道を受けて自分自身を振り返った時、サービスを受ける側のちょっとした気遣いで、配送会社の負担を減らすことができるのに、自分の身勝手で随分と運送会社に負担を強いていたのだと、これまでの自分をとても恥ずかしく思いました。

 

時間指定の荷物がほんの少しでもその枠から遅れた時、息を切らせながら「遅くなって申し訳ありません!」と届けてくれます。

大雪の日、台風の日、荷物が濡れないように大切に守りながら、それでもほんの少しだけ表面が濡れてしまったことを気にして「すみません。少し濡れてしまったんですが大丈夫でしょうか。」と気遣ってくれます。

代引き荷物の時には、おつりが発生することを事前に想定して、その計算とお釣りの用意をしてから来てくれます。

私が知っているヤマトのセールスドライバーさんは、どなたもとても感じが良く、一生懸命で、まさに「ヤマトは我なり」を実践している人たちなのです。

恐らく、多くの方たちが同じように感じているのではないでしょうか。だから、ヤマトが大変な時、「なんだよ!ヤマト、値上げなの?!」と憤慨するのではなく、「ヤマト、頑張れ!」と応援する人たちが多いのではないでしょうか。

お客様と地域に密着した仕事を一生懸命行ってきたセールスドライバーと、それを支えてきた経営陣の、これまでの何年にも渡る日々の小さな小さな積み重ね。「サービスが先、利益は後」の実践が、今、ここにきて、ヤマトを応援する温かい声となって表れているのではないかと思います。

 

人も組織も、良い時もあれば悪い時も必ずある。

ずっと良い時だけ、ずっと悪い時だけ、ということはありません。

悪くなってしまった時に、黙っていても周囲から温かい手が差し伸べられる、応援の声が届く人や組織はどういうものなのか。それはまさに、ヤマト運輸がそうであるように、日々の行動が全てなのだと思います。

 

一部報道においては、ヤマトの顧客重視路線が限界にきているとありました。

しかし、私はそうは思いません。

自己の利益のみを追求するのではなく、「サービスが先、利益が後」の利他の精神を実践してきたヤマトだからこそ、今一度ここで立ち止まり、次の打ち手を考えているのだと思います。これまで同様、お客様を第一に考えるヤマトイズムは忘れられておらず、だからこそ、世の中の多くの人たちがヤマトを応援しているのではないでしょうか。

 

周囲から受け入れられ、周囲から応援してもらえるチーム。

世の中から受け入れられ、世の中に応援してもらえる企業。

そんなチーム、企業になるべく大切なことを、ヤマトから学ばせてもらいました。

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