「人からどのように思われるか」はどんな時にも気になるところですが、営業時代は「仕事ができる」「信頼できる」「責任感が強い」などと思われたくて、黒や濃紺のスーツを多く着用していました。いわゆるブラック星人です。もともとダークカラーのシンプルなデザインの洋服が好きで、着ていて落ち着くということもありました。持ち物もダークカラーのものが多く、明るい色味や爽やかな印象のものとは無縁でした。
しかし、ある時気がついたのです。
「ダークスーツを着ている私って怖そう・・・・。ブラック星人ならぬブラックマネージャーそのものだわ・・・」
そんな頃に国際イメージコンサルタントの吉村ひかるさんに出逢い、「印象管理」という言葉を知りました。「周囲の人にどう思われているか」ではなく、「自分は周囲の人にどう見てもらいたいか」というポジティブな考え方から生まれたものです。自分の印象を自分でマネジメントするということです。
私は印象管理の力を借りて自分自身をマネジメントしようと思い、吉村さんにブラック星人からの脱皮をお手伝いいただけるようお願いしました。
吉村さんとの話で最も心に響いたのは「自分自身がブランド」ということです。私自身のイメージが会社のイメージに直結する。だから戦略的にもっと自分をブランディングすることが必要なのだと。
若い頃は猪突猛進で進んできたたため、また、元来の勝気な性格も手伝って、いつの間にか「怖い」イメージが定着してしまいました。
しかし、インフィニティのバリューが「お客様に寄り添う」ことを大切にしているように、私は自分のイメージを「陽だまりのような温かさと優しさ」にしたいと考えています。
足を組んだり腕組みしたり、時に眉間にしわを寄せてしまったり、強い口調になってしまったり、立ち居振る舞い(Behavior)、コミュニケーション(Communication)を改めると同時に、外見(Appearance)から与える印象もマネジメントすべく、身につけるものを見直すことにしました。
私のリクエストに応じてのアドバイスだと分かっていても、永年慣れ親しんだ嗜好やクセを手放し、これまでとは異なるモノを身に着けることは、最初はとても難しく、同時に少なからずの抵抗がありました。
それでも「ほら。こっちの方が絶対に幸せそうな人に見える。こっちは仕事できそう、強そうに見えるけど、それは作りたいイメージと違うでしょ。」と丁寧にアドバイスを下さいます。
「そうだ。私は脱皮するんだった」と思い、これまでだったら絶対に手に取らなかった色味のものを少しずつですが身につけることができるようになってきたのです。
不思議なもので、最初とても抵抗があったモノたちがいつの間にか今では大活躍し、次々に私に新たなコトを運んできてくれます。スーパーブラック時代の私を知らない方から先日、「暖炉ようなイメージ」とのお言葉をいただきました。すると不思議なもので、さらに「暖炉のように温かく」を目指し、外見、ふるまい、言葉遣いなど、無意識の意識が働くようになってくるのです。これも印象管理のなせる業なのかと嬉しくなりました。
頑固者の私は、自分の価値観を壊すことがなかなかできません。しかし、自分のブランディングを考えた時、迷わずプロの力を借りることに決めました。脱皮したいと願うのであれば、そして、自分一人では難しいと感じるのであれば、素直にプロの意見には耳を傾けるべきだと心から思っています。
また、人の言葉に耳を傾けるのは相手がプロに限ったことではありません。脱皮したいと願うならば、他人の言葉に耳を傾ける素直さが必要なのだと思います。
そのためには、自分自身に遠慮なく「モノ申してくれる人」信頼できる人が身近にいてくれることが一番大切なのかもしれません。