人材・組織開発の仕事をしていると、お客様からチームや社員の方たちに対するフィードバックを求められることがしばしばあります。そんな時は、「評価」にならないよう言葉を選びながら、それでも感じたことは素直にお伝えするようにしています。
「私はこんな風に感じました」
「こういうところはとても良いと思います。でも、こういうところは残念に感じました。」
残念な印象を受けた社員の方がいた場合には特に気をつけます。
「〇〇など、とても他責な発言が多く見受けられました。(必ず事実ベースでお伝えします)ただ、正直だし仕事に対しての前向きさは人一倍のように感じました。時間はかかるかもしれませんが、〇〇のような取り組みを続けていくことで、少しずつでも他責が改善されるのではないかと思います。」
すると、「あいつは変わらないですよ。ずっとああですから。周りもうんざりしているんです。」などと、職場ではよくありがちな応えが返ってきます。
ここで私は簡単には引き下がりません。
「そうですね。難しいと思います。でも私、〇〇さんの気持ちがわかる気がするんです。すぐにでは無理でも、ちゃんと向き合って正しく接し続ければ、変わる可能性があると思うのですが。」
こう言うと、たいていの反応は「え? 尾藤さん、あいつの気持ちがわかるんですか???」です。
はい。すべてとは言いませんが、一生懸命仕事をしていて、仕事が好きで、でも何らかの理由で他責発言が多くなって部下にあたり、上司に煙たがられ、そのことに無自覚な人の気持ちが何となくわかるのです。
なぜか・・・・
私がそうだったからです。
自分が他責だなんて、夢にも思っていませんでした。今振り返ると、他責思考、他責発言のオンパレードだったのですが、その頃は、自分なりに勝手に理由付けしており、私の中ではそれらは他責とは言わなかったのです。
最悪だったのは、一番最初に私に他責を指摘したのが私の部下だったこと。
「尾藤さん、結構な他責ですよね。」と言われ、「なんなんだ!こいつ!!」と憤慨したのを覚えています。到底受け入れられる訳もなく、かえってエスカレートしてしまったような記憶があります。
では、いつ私は自分が他責だと気づき、どうやって変わろうとしているか。(敢えて、ここは現在進行形にします)
ポイントは「少しずつ」なのですが、詳しくは、また別の日に。
ただ言いたいことは、どんなに他責君であったとしても、気づくきっかけ、変わるきっかけを周囲が作ってあげることができるということです。そして、本人がその気になれば、誰もが必ず変わることができるということです。
だから諦めないであげてください。
すべての人には無限の可能性があるのですから。