「どうせ私の仕事なんて、誰にでもできる仕事ですから」
投げやりにそう吐き捨てたのは入社2年目の営業アシスタントのKさんです。
入社以来、自分なりに一生懸命やってはいるものの、営業職の人たちから軽んじられている、お前の代わりはいくらでもいる、と思われていると感じ、最近、仕事がどんどんと投げやりになってミスも増え、とうとう異動願いを人事に申し出たのでした。
「私じゃなくてもいいんです。誰だって、アルバイトだっていいんじゃないでしょうか。何のために大学出てまでこんな仕事をしているのか、意味がわかりません!」
Kさんの言い分は、自分が大切に扱われていない、軽んじられている、一生懸命やってもやりがいを全く感じられない、といったものでした。
どんな仕事であっても「代わりが全くきかない」というものはよほどのスペシャリストでない限りはあり得ません。
「代わりがいるかどうか」ではなく、「あなたがいい」「あなたにやってほしい」「あなたにお願いしたい」と相手に思ってもらえるかどうか、そのためにどんな気持ちでどんな工夫をして、そういったスタンスが大切なのです。
ふてくされるKさんに、私は「レジ打ちの女性」と「駐車場のおじさん」の二つのビデオを見てもらいました。
その後、一緒に振り返りながら、「何をするか」よりも「どんな気持ちでそれを行うか」が大切なのではないかと話をしました。
新入社員研修で3人の石工の話があったけど、それを思い出したというKさん。
仕事だからするのか、営業に喜んでほしくてするのか、営業の先のお客様や更にその先のために心を込めてするのか
同じ一つの行為、例えば「電話を取り次ぐ」「メールに返信する」という簡単なことでも、目に見えない相手が受ける印象は全く変わってくることを思い出したようでした。
「私は『仕事だからする』以前だったかもしれません。軽んじられるような振舞いをしていたんですね。私が営業だったら、さっきまでの私には確かに仕事を頼みたくないし、お客様を任せたくないと思います。」
自分をそう振り返ったKさんには笑顔が戻っていました。
「何をするか」よりも大切なことは「どんな気持ちでそれを行うか」です。
「あなたじゃなきゃダメなの」「君に頼みたいんだ」と言われるその要因は、決してスキルやテクニックに依るものだけではなく、「心」の部分が大いにあると私は信じます。
あなたは仕事で「何を」しているのですか?
私はインフィニティの活動を通じて、「笑顔と喜びと幸せに溢れる人たちが一人でも多い世の中創り」を行っています。