辛いこと、苦しいこと、悲しいことが立て続けに起こり
今この瞬間もどうしたら良いかわからずに、心が折れてしまいそうなAさん。
ゆっくり深呼吸して、少しでも楽しかったこと、嬉しかったことを
何とか思い出そうとするけど、
浮かんでくるのは悲しい出来事、苦しい出来事、怒りに狂った出来事、
ネガティブなことばかりで、楽しいことや嬉しいことは、ここ数か月、
全くなかったと・・・
じゃあ、子供の頃はどうだった?
小さな子供の頃を思い出してみて?
好きだったこと、楽しかったこと、嬉しかったことは?
子供時代に楽しい思い出はない。
父も母も大嫌い! 家にいるのが嫌だった。
学校も大嫌い! 友達もいなかった。
暗黒の子供時代。
尾藤さんみたいに恵まれた人にはわからないのよ!!!
わかりません。
私にはAさんの子供時代の悲しい、辛い気持ちは想像はできてもわかりません。
今の苦しみや悲しみも、想像はできてもわかりません。
ただ、「楽しむこと」「幸せだな」と感じることを
Aさんは忘れてしまっているのか、
自ら拒否しているのか、
それとも知らないのか、
そのどれかとしか思えません。
だって、楽しむこと、幸せだと感じることは、特別なことではありません。
難しいことじゃないのです。
お日様が照って、ぽっかぽか~。気持ちよくて幸せ~。
干したてのお布団、ふっかふか~。幸せ~。
近所の神社の裏手にあるビワの木によじ登って、熟れた実をもぎって食べた。スリル満点。美味しかった。楽しかった~。
お散歩途中に道端にタンポポ発見! 可愛いなと思ってみていたら蝶々が飛んできて止まった! なんだかわからないけど、幸せ~。
楽しみや喜び、嬉しさや幸せは、誰かから与えてもらうものではなく、
自分が「感じる」ことです。
何気ない日常の何気ない事柄に、ささやかな喜びや楽しみ、幸せを感じることができるかどうか。これは、
「幸せ力」
に他ありません。
幸せな環境ではなかったのではなく、幸せ力がないのです。
確かに、決して恵まれているとは言えない環境、過酷な環境に置かれてしまうことは、長い人生、いくらでもあるでしょう。
それが子供時代なのか、今か、それとも未来にあるのかはわかりません。
しかし、どんな状況にあっても、「幸せ力」が高い人は笑顔で楽しそうに人生を楽しんでいるし、
傍から見たらものすごく恵まれていると思える環境にある人でも
不幸のど真ん中、世の中のすべての不幸を一人で背負っているような面持ちの人もいます。
Aさん、で、私にどうしてほしいわけ?
私はAさんに幸せを与えてあげることはできないよ。
幸せを感じる力を養っていく、そのお手伝いはできるかもしれないけれどね。
ポロポロと大粒の涙をこぼしてうつむいてしまったAさん。
今を楽しめるか、幸せと感じることができるか、
それは、あなた次第です。
日々の暮らしの、小さな幸せを感じる力
それが「幸せ力」
あなたは今日、どんな「幸せ」を感じましたか?