部下の成長を願わない上司はいません。できるならば最大限の持てる能力を発揮して結果を出してほしい。日々、目標に向かって成長してほしい。最初はみんな、部下の成長を願っているのです。
ところが、「報連相が悪いよな」「取り組み姿勢がイマイチ」「もっと積極性があればいいのに」「時間にルーズだ」「もっと会議で発言してほしいんだけど」など、成果が出ていれば大目に見れることも、そうでないとイチイチ目につき鼻についてきてしまうのです。
そんな時、マネージャーの取る行為は2つに分かれます。
1つ目は、なぜ報連相をした方が良いのか、今の取り組み姿勢だと本人にとって良いことがあるのか、何が良くないのかなど、メンバーに「考える機会」を与え、本人の意思で行動改善を行うように導き支援するタイプです。
別のタイプは、メンバーが報告に来る前に「あれ、どうだった?」と上司自ら確認を行い、必死でやらざる負えない環境を上司が作り、納期よりも少し早い日程を提示して遅れても大事に至らないようにするなど、上司が色々なことをお膳立てして、メンバーがケガをせぬよう、結果が出るよう配慮する、いわゆる過保護タイプです。
前者の場合、成果はなかなか出づらいかもしれません。失敗をするかもしれません。しかし、自ら考えることで工夫し、改善し、メンバー自身の成長を支援しているとも言えるでしょう。
一方、後者の場合はミスは極力避けることができ、結果も出やすいかもしれません。しかし、上司のお膳立てのもと動いているため、ミスをしたり結果が出ない場合には上司の責任と、メンバーが他責になる状態を生んでしまう恐れがあります。また、何も考えずとも上司が至れり尽くせりだとメンバーは考えることを止めてしまい、成長は止まってしまい、または退化してしまい、その上司がいなくなったら結果を出せない、報連相さえ満足にできない状態になってしまうかもしれません。
チームを預かる管理職は、チームとしての成果を出さなければいけません。
結果を出すためにメンバーの成長は後回しにするか。メンバーの成長を第一に考え、チームの結果は諦めるのか。
どちらも否。両方を行わなければいけないのです。目先の結果を出すという短期的視点と、メンバーの成長という長期的視点。そのある意味、二律背反とも言える状態にしっかりと取り組んでいかなければいけないのです。
そのためにマネージャーはどうしなければいけないのか。
これ!と言った正解はありません。チームによって、メンバーによってそれぞれだと思います。
ただ一つ言えることは、結果を優先するあまり、メンバーの成長をマネージャー自らが阻害する要因になってはいけないということです。そして、この難題に取り組むことによって、マネージャー自らも成長できるチャンスを与えられているのだと、その状況を楽しむことなのではないでしょうか。
あなたは結果を優先していませんか?
あなたは過保護になっていませんか?
メンバーの成長のために日々、どんな取り組みを行っていますか?
マネージャーの役割りを楽しんでいますか?
今一度、自分の胸にも問いかけてみたいと思います。