受講後の社内アンケートで、記述内容はとても前向きに記載しているのに
いくつかの項目で「悪い」と評価した受講者Aさん。
人材開発部ご担当者様から集計表を見せていただき、私はすぐに、
「具体的にどこが悪いと感じたか」
「改善点はどこだと考えるか」
「今後のために具体的フィードバックが欲しい」
とAさんにご確認いただきたいとお願いしました。
全員に「満足」を頂けるとは思っていませんが、
記述内容がとても前向きに細かく一生懸命書かれているにもかかわらず
6項目中3項目の「悪い」評価、しかも、
数回シリーズの全てが同様の評価であることが引っかかったのでした。
そうしたところ、Aさんから驚くべき回答が返ってきました。
「『自分にとってネガティブなことでも、そこから学ぶことを逃げない』
と研修中に尾藤さんは言っていたので、本当にそうるすのかどうか
試してみたくなった。」
というのです。
ははは。試されたのか・・・
ご担当者様と共に笑ってしまいました。
なんと大胆。なんとユニーク。
そしてその続きがありました。
「『悪い』評価つけた相手に『学びの機会に応えられずに申し訳ない』
と言われたのは初めてで驚いた。
本当は、とても学びが多かった。だから記述の方には一生懸命書いた。
研修中に言っていたことは全部本当だと分かって、
僕も信じてやってみようと思った。
『悪い』評価に反応してくれてありがとうございます。」
これまでAさんに何があったかは分かりませんが、
こんな対応をしたくなる何かがきっとあったのですね。
ご提供したプログラムに「悪い」評価を頂くことは
Happyではありません。
しかし、そこにこそ改善、成長の種があることは紛れもない事実です。
また、せっかくの貴重な学びの時間に、
役に立てなかったとすると、プロとして失格です。
全員に100%の満足は難しくても、そこを目指して日々、研鑽あるのみです。
「試すだなんてとんでもない!」
と憤慨していたご担当者様ですが、
私はAさんの心に、応援のエールを贈れたのであれば、
それで良かったと思っています。
評価に一喜一憂するのではなく、肝心なのはその中身。
これからも一つ一つ、真摯に向き合って取り組んでまいります。