リーダーとは強く、正解を持っていて、
ぐいぐいとメンバーを引っ張っていく人
そんなリーダーに若い頃から憧れて、
もともと出たがり、目立ちたがりのAさんは部長になった今も、
常に自分が最前線の主役の位置にいたくて仕方がなく、
やることなすこと、ほとんどすべて、部下の主体性を奪ってしまう
残念な行動ばかりになっています。
そんなAさんですから部下が育つはずもなく、それどころか
「部長は僕たちの事は信用してないんだよね」
「自分が褒められたい、手柄がほしいんだよ」
と部下から揶揄される始末。
Aさんの上司の統括部長からは、
「いい加減、部長の仕事をしろ。
そんなに何もかも自分でやらないと気がすまないんだったら、
部長を返上してリーダーやってくれて構わない。」
と厳しいお言葉を頂いてしまいました。
必死で自分の出たがり行動を抑えようとするAさんですが
なかなかうまくいきません。
何故なら、Aさんの価値観として、
リーダー = 目立つ = 主役 = カッコイイ
があるからです。
主役でなければカッコよくない。
「カッコいい」が大切なAさんにとって、
目立つ主役であることが何より大切なのです。
そこで私は考えました。
だったら、Aさんの「主役になる目立つリーダーがカッコいい」
の価値観が、「〇〇〇〇なリーダーはカッコいい」
に変われば良いのです。
Aさんから、彼が大切にしている考え方や
子供の頃に大きな影響を受けた恩師や友人について、
様々な話を聴きました。
そこで、Aさんが今も高校時代の恩師が、
アレコレ多くを語る人ではなかったけれども、
いつも自分たちを温かく見守り、いざと言う時にはとても厳しく、
しかし身体を張って自分たち生徒を守ってくれて、
ある意味それは任侠の世界の親分のようで、
そんな先生にとても憧れていたことがわかりました。
今のAさんとは似ても似つかないね。
だって、俺が俺がの出しゃばりさんじゃなくって、
しっかり任せて、見守って、大切なところはちゃんと締めて、
それって、自分に余裕と自信がないと絶対に出来ないけど、
でも、凄ーくカッコいいよね。
私のコメントにAさんにこれまで染みついていた
主役=目立つ=カッコいい の価値観が、一気に変わったようでした。
行動を変えたい時、
その背景にはその人の考え、想い、価値観がしっかりと存在します。
それを変えずして表面だけ変えてみても、
すぐに逆戻り。
結果、効果が出る前に、「なんか、その行動、続かなくって」
となってしまいます。
行動を変えたいなら、そのベースとなる考え方、想いを変える。
それを形作っている価値観を変える、または
新たな価値観を取り入れることが大切です。
行動と思考(考えと思い(想い))はセットです。
思考を作るのは価値観です。
もし、あなたがなかなか行動変容できなくてもがいているなら、
それは行動を変えることのみに一生懸命で、
行動の基となっている、考え方、想い、価値観に
至ってないからかもしれませんね。