行きつけの美容院での担当スタイリストさんとのお話は、
情報収集など幅広いお話ができて楽しみのひとつです。
たまたま、彼女と私のお気に入りのデパートが同じということもあり、
先日は、デパ地下の話で盛り上がりました。
その内容は、実はあまりハッピーな話ではなく、
「○○デパートの店員さんの質が最近落ちたよね」というものでした。 お気に入りのデパートだけに、「何とかならないのかなぁ」
と思っていたのですが、
彼女も強烈に感じているらしく、これはもう、個人の主観ではなく、
きっと実際に、何かしらおかしくなっているのだろうとの結論に至りました。
「ただ品物を買ってるだけじゃないんですよね。
○○デパートで買っているという満足感が得られないのは寂しいですよね。」
彼女がポツリと呟きました。
そう!私達はモノを単純に手にいれるだけならどこでも良いのです。
ネットでポチリで、欲しいものはすぐに手に入る時代なのですから。
そうではなく、
モノの先にあるコト、
その人にとって求めている価値も一緒に手にいれたい。
だからわざわざ、そのお店を選ぶのです。
「うちの店でも同じにならないように気をつけないと。」 全店のマネージャーでもある彼女がキリリと表情を引き締めて言いました。
「私達スタイリストがどんなに技術を磨き、お客様と誠心誠意接しても、
それだけではお客様はここを選んで下さらないんです。
予約の電話を取る人、受付応対、アシスタント、
全ての人間がこの店の顔であり、
お客様に心から向き合って応対しないと。
それら全てが揃って私達ですから。」
いやもうおっしゃる通り!
彼女からは毎回学ぶことがたくさんです。
そうなのです。
ブランドを創るのは、社長でも経営企画でも上司でもなく、
そこで働く全ての人々、一人一人なのです。
一社員のちょっとした行動が、
その会社の評判を高めもすれば落としもする。 そんな風に思うと、社内への影響力がまだまだ少ない若手であっても、
「僕も会社を創っているんだ」と自覚も生まれ、
行動の一つ一つにも気持ちが入るというものです。
若い頃、
「我が社の社員という自覚と誇りを持って行動するように」
など言われたものですが、あまり心に響きませんでした。
今の私ならこんな風に言います。
「みなさん、一人一人の行動が我が社のブランドを創り上げていきます。
是非、世の中に胸を張って誇れるブランドを全員で創っていきましょう!」