とても大切な事で物事の根本をつかさどる事にもかかわらず、
正しく学んでいない事の筆頭に「聴き方」があります。
(他にも「ノート(メモ)の取り方」「優先順位のつけ方」
「自己評価の仕方」など、たくさんありますね。)
「聴くことができない理由」については以前、ブログにも書きましたが、
そもそも私たちは子供の頃から、
話し方(プレゼン、ディベート等も含めて)は学んでも
聴き方をちゃんと学んだ人はとても少ないです。
相手を深く理解し、適切な行動に結びつけるために「聴く」
大切なポイントは次の2つです。
(「訊き方」は全く別のポイントになるのでお間違えなく)
1.相手の靴を履く
相手の靴を履くとは、「相手の立場になって考える」こと。
私の表現に変えると、
「自分から幽体離脱して相手の中に入り込み、
相手の置かれた状況を相手になって感じてみる」
といった意味合いです。
そのつもりで聴いていても、
人はいつの間にか自分の立場でモノを見て、聴いています。
そうではなく、相手の立場に立ってモノを見る。
相手の靴を履いてみる。
そうすることで、自分の立場では見えなかった、感じなかった
あんなことやこんなことを感じ、気づき、わかる事ができます。
聴くことで一番大切な事は、
自分を一旦脇に置いておき、相手になって聴くことです。
「自分」が聴いていて理解が難しい事も、
相手の靴を履くことで気づき、わかる事はたくさんあるはずです。
そうして生まれた行動は、あなただけの独りよがりではなく、
相手をも考えた、より適切なものになっているに違いありません。
どうぞ、聴く時は自分の靴は脱いで一旦、横に置き、
相手の靴を履いてみてください。
2.相手の関心に関心を持つ
自分の関心で話を聞くのではなく、
相手の関心に関心を持ってください。
相手の靴を履いてみても、
相手の関心が靴の色やデザインなどの見栄えにあるにもかかわらず、
こちらの関心が履き心地や耐久性であったなら、
全く話はズレてしまいます。
一方、どんなに相手の関心に関心を向けていても、
相手の靴を履いていない、自分の靴を履いたままでは
「なるほどね」「だから〇〇〇なんだよ」
と自分目線のジャッジが入ってしまう可能性大です。
仕事ができる上司やコンサル思考の方はこの聴き方が多いかもしれません。
ジャッジしてアドバイスるすることを目的とした時、この傾向になるのでしょうが、
相手の靴を履かずに相手の状態(感情も含めた)を理解しないままのジャッジ&アドバイスは、
表面的な解決はできても、真の解決に至らない事も多く、私はお勧めいたしません。
まとめ
相手の靴を履いて、相手の関心に関心を向けた時、
「退屈」「つまらない」「意味不明」などといった思いは抱きません。
もしそうならない時は、相手の靴を正しく履けていないか、
相手の関心に無関心かのどちらかでしょう。
自分の靴を履き、自分の関心に関心を持って話を聞いてくれる相手に対し、
人は決してネガティブな感情を持つ事はありません。
好意を抱き、心を開くことはあっても、
怖れや敵意を持つ事はありません。
聴く目的を「適切な行動に結びつけるため」とした時、
前者である方が、相手へ与える良い影響は圧倒的に大きく異なります。
聴くことは関係性を築く基本であり、
相手の成長を後押しする強力な武器でもあります。
また、周囲から人として信頼・尊敬される方で、
「人の話を聴かないよね」と言われる人はまずいらっしゃいません。
すなわち、
聴くことは、あなたの人としての器を測ってくれる正しい指標
でもあるのです。