マネジメント・リーダーシップ

相手の関心に関心を持つ

「相手の関心に関心を持つ」ことと、「相手に関心を持つ」ことは
全く別物
です。

上司「営業間隔が随分開いているけどどうした?」
部下「A社の部長さんはちょっと苦手なんです。」
上司「あの人、クセあるけどいい人だから大丈夫だ。」

これは、部下に関心を持って声をかけていますが、
部下の関心に関心を持っているとまでは言い難いです。

上司「そっか。苦手なのか。部長のどんなところが苦手と感じる?」

これは、部下の「部長が苦手」という関心にしっかりと関心を持ち
そこに寄り添っています。

相手の関心に関心を持つということは、
相手の関心(相手が投げたボール)を受け止める、
そこに寄り添って反応する(受け取ったボールを丁寧に投げ返す)と
言い換えても良いかもしれません。

「クセはあるけど大丈夫だ」は、
A社の部長は苦手と部下から投げられたボールを受け取らずにスルーして、
「大丈夫だ」と上司は自分が投げたいボールを投げ返しています。
結果的に「大丈夫だ」を言うことがベストだとしても、
まずは一旦受け取る、相手の関心に関心をもって話をすることで、
部下が上司に対して抱く感情は全く別物になります。

答えや結果を急ぐ人、
自分で自分の感情をコントロールして結果を出してきた人ほど、
この「相手の関心に関心を持つ」は苦手かもしれません。

しかし、そういう人も、お客様には完璧に近いほどできているはずです。
一方、部下になると殆どできない。
それは、お客様の事は「より深く知る」ことで
丁寧に最適な対応をしようという気持ちがあるのに対し、
部下に対しては「部下を深く知ろう」とするよりも
乱暴な言い方をすれば、
結果を早く欲しているからかもしれません。

「仕事だからつべこべ言わずにやって。」
「君の意見はわかったから言われたことやって。」

こう言えば、部下は行動に移すかもしれません。
しかし、その行動が100%熱意のこもった前向きのモノかは甚だ疑問です。
できれば前向きな気持ちで効果的な行動をとってもらいたいものです。
それには、相手のボール(関心)をスルーする、
自分が投げたいボール(関心)だけを受け取らせるのではなく、
少し遠回りなようでも相手の関心に関心を持ち、
結果的に、その部下に応じた関わり方、アドバイスをした方が遥かに効果的です。

冷たいと言われる。
人の話を聞いていないと言われる。
相談をあまり受けない。
相手の気持ちがよくわからない。

こんな人は、もしかしたら、
相手に関心を持っていても、相手の関心に関心を持つ事は
もう一息なのかもしれません。

相手の関心に関心を持つことと、相手に関心を持つことは
全くの別物です。
あなたは日々、周囲の人たちの関心に、どれくらい関心を持てていますか?




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