マネジメント・リーダーシップ

少年サッカーコーチから学ぶ育成のコツ

近所の公園のグランドで、少年サッカーチームが練習に励んでいました。
その中に、際立って「育て上手」なコーチの声がありました。

「いいぞ!ユウヤ!今、どうだった?」
「ドリブルがダメだった」
「どうダメだった?」
「遅かった」
「ボールと走るのとどっちが早い?」
「ボール」
「じゃあ、どうすればいい?」
「ボールをもっと蹴る」
「そうだ! その調子で前へ蹴る!」

「リナ!そうだ、そうだ!負けるな!さっきよりずっといいぞ!」
「リナ、さっきと今と、何が違った?」
「・・・。わかんない・・・」
「ケンタ、見ててどうだった?」
「リナの顔が起きてた」
「そうだ!リナ! ちゃんと前見てボールを追ってたぞ!良くなってる!その調子だ!」
「うん!」

子供たちは恐らく小学校1-3年生くらいの小さな子供たち。
コーチは30代前半くらいでしょうか。

常に元気に大きな声で子供たちに声をかけ続けるこのコーチ。
子供たちは皆、真剣な眼差しの中に
サッカーが楽しい、できるようになっていることが楽しいという喜びが感じられ、
イキイキしています。

「そうじゃないだろう!もっと走れ!」
「違うだろう!おんなじこと言わせるな!」
ダメ出しオンリー、指示出しオンリーのコーチの声も他からは聞こえてきます。

しかし、このコーチは常に子供たちに前向きな質問をし、考えさせ、
その子が答えに窮したら別の子に質問を振り、
一人の問題も全員の問題として考え、
ジブンゴトに置き換える
ということを自然にやっているのです。
そして何より、コーチ自身が教えることを楽しんでいるのが
その表情から見て取れます。

学習を促進させる前向きな質問。抜群のペップトーク。
そしてコーチ自身の教えるスタンス。
このようなコーチに指導されれば子供たちはどんどん成長するでしょうし、
何より、前向きに自分の頭で考えることができる
自律的な子供になるのだろうと感じました。

このコーチはビジネス現場においても良きリーダーに違いありません。
相手の成長を心から願い、愛情たっぷりに応援している姿は、
その言葉や振舞いからも明らかです。
それに加えて関わり方も抜群に上手いのですから、
みんなヤル気度アップ、成長度アップに自然となっていくこと間違いなしです。

育成において、
自分のスキルが高いだけではダメ。
教えるスキルが高いだけでもだめ。
そこには相手の成長を誰よりも願い応援する「愛」が不可欠です。

サッカーのスキルに加えて教えるスキルと子供たちへの愛に溢れたこのコーチ。
これこそが「育て上手」な人なのだと思います。

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