組織開発

問題が起きた時、すぐに対策を考えてはいけない

課題やトラブルを乗り越えようとする時、「〇〇をすれば良い」「××は止めた方が良い」など、対策が頭に浮かび、それらについて一生懸命考えることをしがちです。
しかしそのような時こそまず最初に考えるべきは、「どこへ向かっており、何を成し遂げようとしており、そのためにこの課題やトラブルにどう対処するか」の根本に立ち戻ることです。

勤務時間中にネットの私用閲覧をしている社員がいる→ネット閲覧制限をかける
夜勤従事者の勤務態度が好ましくない→マネージャーを配置して監視する
工程が複雑で今の人員では時間内に終了しない→人を増やす

これらはいずれも、目の前の問題に対して対策を行っていますが、本質には全く立ち返っていません。

勤務時間中にネットの私用閲覧をしている社員がいる。→社員が仕事に集中できていない。仕事に前向きになる環境やレベルを与えられていない。→ 社員の成長やすべてのステークホルダーの幸せのために会社があるという理念に即していない。
こう考えたなら、安易に閲覧制限をかけるのではなく、理念の再共有や、マネージャーはその社員の成長をどのように期待しているのかを再度考え、それに見合った仕事を与えることができているか。そもそも期待を伝えているか。社員が成長とやりがいを感じる環境を日々、整えられているか。そこから考えて何を成すべきかを考えなければいけません。
夜勤従事者の勤務態度が好ましくない。工程が複雑で今の人員では時間内に終了しない。についても考え方は同じです。

対策を考えることは必要ですが、そもそもの戦略と、その戦略をつかさどる目的に立ち返り、そこから考えることをしなければ、対策だけが独り歩きして、目の前の問題やトラブルを本当の意味で乗り越えることなできないのです。

何かコトが起きた時、その対策(What)とそのHow toを考えがちです。Whatから始まりHowを考え、そこに「本質」(Why)が存在しないことが多くあるのです。しかし本当に大切なコトは、何のために(Why)に立ち返り、そこからHow→Whatを考えることです。それが対症療法を防ぎ、目指している究極のゴールに最も確実にたどり着く考え方なのです。

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