大相撲秋場所では3横綱2大関が休場となり、秋場所ならぬ空場所と揶揄されています。
力士にケガはつきものですが、最近の特に下半身に多いケガは力士の大型化に一因があると舞の海さんが解説していました。
今場所の幕内力士の平均体重は163.5㎏。10年前に比べて13.5kgも増えている。力士が大型化することで立ち合いの時の当たりの強さが迫力を生む一方、自分と相手の体重を支え切れないことでケガに繋がることが多いのでは。本来は土俵際の攻防で負けないよう筋力や体幹を鍛えるべきなのに、安易に体重を増やす方に走っている。その結果、動きにキレを欠き、ケガへつながってしまう。どんどん体を大きくするという考え方からそろそろ切り替える時が来ているのではないか。このままでは身体ばかりが大きくなるだけで、本来の相撲が消滅してしまうのではないか。
舞の海さん自身が100㎏を割る小兵力士であり、「技のデパート」と呼ばれていた人だけに、押し出しやはたき込みなどの単調な技が目立ち、相手と自分を支えきれずにケガで休場する力士が増えることに、技が廃れてしまうのではという残念な思いと危機感が募っているのだと感じました。
と同時にこの話を聞いた時、「これは恐竜の絶滅前みたいな感じなのかしら・・・」と思いました。大きくなりすぎて滅びていく・・・
変わるべき時に変わることが出来なければ、その末路は滅びるしかないのです。
ケガで休場力士が相次いでいるというサインが出ているうちに何らかの方向転換を図らなければ、今の大相撲は将来存在しないかもしれません。
これは人も組織も同じこと。変わらなければいけない時、必ずどこかにサインがあるはずです。それに気がつかないだけなのか、いえ、本当は気がついているのに気がつかないふりをしているだけなのです。
変わることは過去の否定=退化ではなく、進化なのです。
世の中の流れがどんどん早くなっている今、進化の必要がない人・組織はどこにもないはずです。言うなれば、常に進化し続ける必要があるのです。
絶滅危惧種になってからでは遅いのです。
秋場所の取組みを見ながら、そんなことを一人考えていたのでした。