マネジメント・リーダーシップ

ポジションを目指すか、現場主義を貫くか

仕事が大好きで能力も高く、周囲からの評判も上々なのに、ポジションには興味がないという人がいます。かたや、上昇志向がとても強く、もちろん能力も抜群で仕事もできるという人もいます。
どちら良い悪いではなく、何に価値を置いているかということです。
例えて言うならば、「踊る大捜査線」の青島巡査部長は、現場が大好きでポジションには無関心なタイプ。室井管理官は、能力が抜群なのはもちろんの事、警察組織トップを目指している上昇志向タイプ。
ここで大切なのは、一見異なるタイプに見えますが、最終的に目指しているところは同じだということです。国民の幸せのために、現場でできる事を現場で行っていくという青島巡査部長。同じく国民の幸せのために、警察組織を変えていく必要があり、そのためには力が必要。だから自分は上を目指すという室井管理官。
室井管理官は、ただポジションが欲しいだけではなく、ちゃんとした目的のもとに
地位を手に入れたいと思っているのですね。室井管理官にとって、地位を手に入れることは目的ではなく、目的達成のための手段なのです。

さて、あなたは、あなたのメンバーはどちらのタイプでしょうか?青島巡査部長タイプのメンバーに「課長を目指せ」「社長を目指せ」と発破をかけたところで、彼等にはあまり響きません。そんなものになりたくないな。面倒だな。もっと自由にやりたい事やりたいんだよな。こんな風に思うのがオチでしょう。
一方、室井管理官タイプのメンバーに「部長を目指せ」「役員になれ」と言うと、「はい!頑張ります!!」と元気よく答えるでしょうが、「それを目指す理由・そのポジションで何を成し得たいのか」をしっかりと確認することが大切です。それがなければ単にポジションを手に入れたいだけの、中身がない人になってしまいます。どれだけ能力が高く仕事ができる人であっても、周囲からの尊敬と信頼はポジションに見合ったものにはならないでしょう。

青島巡査部長も室井管理官も、目指しているゴールに向かっているのがはっきりとわかり、そこに向けて、自分の大切なコトを守りながら進んでいるからあんなにも魅力的なのだと思うのです。

あなたがメンバーに、もっと上を目指してほしいなと思うなら、単なるポジションの話をするのではなく、その先の「目的」「ゴール」「そこで何を成してほしいのか」をまず伝えることが大切です。
その上で、青島巡査部長のように「自分は現場から」とポジションよりも現場主義を貫きたいと本人が言うなら、その道のプロフェッショナルを目指せば良いでしょう。室井管理官のように、したい事をするためには力も必要と、上を目指そうという人には、その後押しをすれば良いのです。

上を目指せ! 部長を目指せ!とポジションのみでメンバーを鼓舞するのではなく、一人ひとりの価値観に応じて、どんなふうにメンバーにアプローチしていくのが彼・彼女たちのより良い将来のためになるのか。上司であるあなたの腕の見せ所ですね。 

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