「あの人は、私たちのことを人間だと思っていない。自分の思い通りに動く働きマシーンくらいにしかとらえていない。」
こう憤慨していたのは、ある企業の管理職の方です。
上司の方が実際にどう思っているかは別として、部下がそのように感じているとしたら、それが全てです。モチベーションは下がり、仕事はただの「こなし」になり、「頑張ろう」とか「少しでもより良いほうへ」などの気持ちは失せ、人によっては「どのタイミングで退職を言いだそうか」と考えているそうです。
ここまでとは言わなくても、上司から「人として大切に扱われていない」と感じている部下の皆さんは、上司が考える以上にとても多いようです。
管理職の立場では、「人として」とわざわざ考えるまでもない、そのようなことはすっ飛ばして仕事の話や業績についてのあれこれが話題・関心の的となるのでしょう。しかし、そうであればあるほど、部下から見ると「上司は業績にしか関心がない」「自分たちはモノ扱い」と感じてしまいます。
部下のやる気を引き出したい、仕事に責任をもって取り組んでほしいと思うなら、まず最初にやるべきことは、目標は目的をしっかり伝えることではなく、部下個人に関心を持ち、何がヤル気の源泉なのか、何にヤル気を失くすのか、この仕事を通じて部下が手に入れたい願望の何が達成できるのかなど、部下個人にフォーカスして関わることです。
モチベーションは部下個人が自ら上げるものですが、上司であるあなたが部下のモチベーションを下げている大きな要因にいつでもなりうるということを、決して忘れてはいけません。
私たちが相手にしているのは、機械ではなく心・感情を持ったヒトなのです。そこに配慮ができないのであれば、部下を持つ資格はないので自らマネジメントを辞退しすべきでしょう。