マネジメント・リーダーシップ

無自覚のパワハラを克服する:管理職として成長するために私がしたこと

部下への厳しすぎる態度に悩む方へ

「部下に厳しく接しすぎている気がする…」
「これってパワハラかもしれない…」

そう悩む管理職の方も少なくないと思います。

私自身、かつては無意識のうちにパワハラをしていました。

当時を振り返り、
どのように気づき、どんな方法でその状態から脱却したのかをお話しします。

なぜ私はパワハラをしてしまっていたのか

当時の行動を振り返る中で、
「自分を守りたい」「認められたい」
という気持ちが根本にあったことに気づきました。
ただし、それは当時の自分には全くの「無自覚」でした。
以下、具体的な例を挙げながら当時の心の内をお話しします。

1.自分が勧誘して転職してきてくれた部下への過剰な厳しさ

転職を勧めて入社してもらった部下が期待どおりに活躍してくれないと、
「私の見る目が疑われる」という不安に駆られました。
その結果、彼に対して必要以上に厳しく当たってしまったのです。

2.身だしなみや服装への過干渉

身だしなみに注意すること自体は必要だと思います。
しかし当時の私は、自分の基準を絶対視し、許容範囲が非常に狭かった。
「だらしがない」と決めつけてプライベートにまで干渉してしまったのです。

3. 優秀な同僚への嫌味な態度

トップ営業マンとして転職してきた同僚に対し、
「これくらいは説明しなくても分かりますよね」
と嫌味な言い方をしてしまうことがありました。
彼が自分の地位を脅かすのではないかという恐れが
心の奥にあったのだと思います。

4. 部下の気遣いを無視してしまったこと

私自身が精神的に疲弊していた時期、
部下が私を気遣って声をかけてくれても、
それを無視してしまうことがありました。
自分のことで精一杯になっていた私は、
気遣いを「自分へのダメ出し」のように感じ、
腹を立てることさえありました。

無自覚のパワハラに気づけた理由

当時の私は、それが「パワハラ」だとは全く思っていませんでした。
むしろ、
「部下を育てるため」「会社のため」と、
自分の行動を正当化していたのです。

しかし、ある時、気づいてしまったのです。
私は一生懸命頑張っているつもりでしたが、
ふと振り返ると、誰もついてきていないことに気がつきました。

「ついて来れない」のではなく、
「ついて来ようとしていない」

それが現実でした。

その時、胸を締めつけるような思いがありました。

「私は、メンバーがついていきたくない上司なんだ」

管理職として、それは失格です。
メンバーに信頼されず、誰もついてこないようでは、
マネージャーとしての責任を果たせていないのと同じです。

「どうして部下はついていきたくないんだろう?」
そう考えたとき、私は自問しました。

もし、自分が自分の部下だったら?

確かに嫌だと思いました。

ガミガミとうるさく怒り、機嫌によって言うことが変わり、
気に入らないことがあれば徹底的にやり込める…。

その瞬間、心に電流が走るような衝撃がありました。

「これって、まさにパワハラだよね」

それまで誰かから「パワハラしている」と指摘されたことはありましたが、
私は頑なにその事実を受け入れることができませんでした。
しかし、自分自身で気づいてしまった以上、
それを否定することはできませんでした。

では、なぜ私は「自分で気づけた」のでしょうか?

それは、友人の遠回しな働きかけがあったからです。
直接的に「パワハラだ」と言われていたら、
私はきっと耳を塞いでいたでしょう。
反発し、聞く耳を持たなかったと思います。

しかし、友人は私の性格を慮り、
正面からではなく遠回しに伝えてくれました。
自分自身で気づけるように、私の心にそっと種を蒔いてくれていたのです。

結果的に私は、その種が芽吹き、
「自分の行動がおかしい」という事実に自ら気づくことができました。
この経験があったからこそ、
私はパワハラと向き合う第一歩を踏み出すことができたのです。

パワハラをやめるために私がしたこと

私は「パワハラをやめよう」と無理に努力するのではなく、
「自分を受け止める」ことに注力しました。

なぜパワハラをしてしまうのか。

その根本的な原因に向き合ったのです。

それは、
「自分を守りたい」「認められたい」「傷つきたくない」
という気持ちでした。

まず、自分の弱さを認め、許すことから始めました。

次に、
「部下に厳しく接することで得られる安心感」に頼ることをやめる練習を
少しずつ積み重ねていったのです。

このプロセスには時間がかかりましたが、
結果的に自分自身が楽になり、
部下との関係性も大きく改善しました。

まとめ

今日お伝えしたことは、あくまでも私の経験に基づくものです。
ただ、「無自覚のパワハラ」に悩む管理職の方にとって、
何かのヒントになるかもしれません。

もしもあなたが「自分もそうかも」と感じているなら、
まずはご自身の心の中にある思いに気づくことから始めてみてください。

決して完璧を目指さなくてもいいのです。
小さな一歩から変わることができます。

私の失敗談が、誰かのお役に立つことを願っています。

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