戦略人事

社員の力を最大化!中小企業が採用難を乗り越える経営術

多くの企業が人材確保に頭を悩ませる現代。
即戦力採用にばかり目が向きがちですが、実は『今いる社員の力を最大限に引き出す』ことが、中小企業がこの混迷の時代を生き抜くカギとなります。

WBC前監督の栗山英樹さんが、北海道日本ハムファイターズの監督に就任した年は、チームの大黒柱であったダルビッシュ有選手がメジャーへ移籍した年でもありました。
監督就任に伴ってのコーチ陣の刷新、チーム補強のためのトレードなど、通常ならばごく当たり前のことですが、この年、栗山さんは、コーチ陣は据え置き。
さらに、「今いる選手でどのように戦うか」と、これまでとは異なる「戦い方」の工夫をして、見事、その年、リーグ優勝を成し遂げました。

これを一般企業で考えるながら、コーチの入れ替えや選手補強は、即戦力の中途採用や管理職層のスカウトと考えられます。
これらを行わないという選択は、まさに「全員野球」で臨むということです。

即戦力や敏腕マネージャーの採用が容易にできるのであれば、それは1つの選択して大いに「アリ」です。
しかし現実問題として、どの企業も人材の奪い合い、採用の困難は課題として抱えています。
それにも関わらず、「採用力強化」「人材確保のための施策立案」と、新たな補強にばかり目が向いてしまい、「今いる人たちの力を、最大限に活かすこと」への視点が欠けている企業がとても多いと感じています。

果たして、今いる社員の方は、その持てる力の何割を発揮しているのでしょうか?
10割の人がいる一方、5-6割で留まっている人も、実は多いかもしれません。
やる気の喪失や自分の居場所が見あたらないという人が「いない」組織。
それこそが、それぞれの社員が自分の役割を理解し、お互いの強みを活かし合い、部署や役職の垣根を越えて協力し合うことで、組織全体として大きな成果を生み出します。

すべての人が100%の力を出し切ることができれば、今の何倍もの結果が見えてくるでしょう。
さらにそれは、5+5=10の足し算ではなく、互いに切磋琢磨して高め合うことにより、5×5=25の相乗効果を生み出すことになります。

そのためには、まず社員一人ひとりがどのような強みや潜在能力を持っているのかを知り、それを引き出すための対話や適切なフィードバック、挑戦できる機会を提供することが不可欠です。
組織が一体となって社員の成長を後押しする環境創り、評価やフィードバックの仕組みを整えることもまた、重要です。
こうして「全員野球」ができる状態を丁寧に整えることで、一人ひとりのパフォーマンスは飛躍的に向上し、それが組織全体の力となるのです。

採用を否定するわけではありません。
しかし、今以上に、今いる人たちに目を向けてみませんか?

今いる人たちが、最高に輝ける舞台を用意して、その力の発揮を後押しする状態を創ることもまた、経営の仕事だと思います。

中小企業こそ全員野球の考え方が必要です。
今いる人が100%の力を出し切る、総力戦組織
こそが、混迷に時代を生き抜くことができるのです。

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