「部下をうまく使って仕事をするのが上司の仕事だ」
顧問先企業の社長さんが管理職の皆さんにこのように話をされる時、
私は必ずきっぱりとお伝えする。
「人は、『使う』ものではありません!」と。
人は使うものじゃない。
人はモノじゃない。心がある。感情がある。
一喜一憂もするし、落ち込むことだってある。
モチベーションが爆発した時には、自分でも信じられないほどの力を発揮することもある。
人を“人”として大切に接することで、
メンバーは「自分が大切にされている」と心で感じて、
それをパフォーマンスで返してくれるようになる。
一方で、モノのようにしか見られていない、扱われていないと感じた時、
人は心を閉ざし、「それなり」のパフォーマンスに落ち着いてしまう。
「自分はモノとしてなんて見ていない。人として接している」
そう言うリーダーも多いけれど、実は、言葉を聞けばわかる。
「人を使う」
「あいつは使えない」
「戦力化」
「即戦力が欲しい」
こういう表現が当たり前になっていないだろうか?
言葉は、心の鏡。
「使う」という言葉を何の違和感もなく使っているとしたら、
どこかで“人をモノとして見ている”という前提があるのかもしれない。
私がマネジメントの現場で、ずっと伝え続けてきた言葉がある。
「人をモノ扱いしない。」
効率は悪くてもいい。
時間がかかってもいい。
でも、人と向き合うときには、
その人の“人生そのもの”に向き合うつもりで関わりたい。
信頼は、管理じゃなくて、関係性から生まれる。
そして、
人を人として見るマネジメントが、結局チームの底力になる。
あなたのチームでは、「使える」「使えない」が会話の基準になっていませんか?
もしそんな言葉に違和感を覚えたら、それはきっと、
“人を人として見る感性”が、まだちゃんと残っている証拠です。
ちなみに、「上司」「部下」という言い方も、私は本当は好きではない。
できるだけ、「マネージャー」「メンバー」と呼びたいと思っている。
チームを強くするには、
人として対等な関係性の中で信頼を築くことこそ大切と信じているからだ。
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