4年ぶりに首都圏を襲った大雪は、早くから出されていた予報を超える大雪となりました。
「雨か雪かは紙一重」と予報が外れた時のことを思ってか、予防線を張るようなコメントを出す予報士もいましたが、前日までの大方の予報は「大雪」でした。
当日朝のニュースでは既に、スカイツリー付近ではみぞれが降っていると伝えています。
こちら中野ではまだ霧雨程度。
それでも「転ばぬ先の杖」と考え、絶対に避けられない外出予定以外は全て自宅作業に変更しました。
既に10時過ぎ頃から中野でもみぞれに変わり始め、お昼過ぎには白い雪で辺りは覆われ始めました。
「天気予報、大当たりだわ。」
そんなことを思いながらテレビをつけると、国会で安倍首相が施政方針演説を行っていました。
働き方改革は成長戦略そのものであり、ワークライフバランスを確保することで、誰もが能力を思う存分発揮すれば、少子高齢化も克服できる、云々。
その話を聞きながら思いました。
「働き方改革」って、そういうことだけじゃなくて、既に大雪で帰宅困難が容易に予想できるこんな状況の時、別に無理に会社に行かなくても今のこの時代、ITがこれだけ進歩しているんだから自宅でできることは山ほどあるだろうし、そもそも事前に予想した会社は臨時休業にするとか、そういう臨機応変な対応ができる企業がもっと出てきて、またはそういう働き方を自由に選択できることも、働き方改革なんじゃないかな。
賃上げ3%もいいけど、こんな日にいつもより何時間も余計に時間をかけて疲れ果てて自宅へ帰り、次の日は交通機関の乱れを予想していつもよりだいぶ早く家を出なければいけないなんて、今の時代にナンセンスも甚だしい。
そのエネルギーを他に使えれば、どれだけ気持ちにゆとりが生まれ、どれだけもっと良い仕事ができるか。
こんな大雪の日に施政方針演説するのだから、それくらい機転の利いたことを言ってくれてもいいのに。
若かりし頃、大雪だろうと、台風だろうと、「定時出社」は当たり前で、交通機関の遅れは遅刻の理由にはなりませんでした。
「電車が遅れることを予想して早く家を出るなり、対策を取るのが社会人として当たり前だと。」と言われました。
どんなに帰宅困難が予想されても、定時前に帰るなどは考えられませんでした。
帰宅が難しく、次の日の出勤も混乱が予想されるなら、会社近くのビジネスホテルに泊まって対策を取る。それがビジネスマンの常識だ。
今はそんな時代ではありません。モーレツに自分の時間(=人生)を会社に捧げる時代ではないのです。
働き方改革を唱えるならば、「働く」意味が昔とは変わってきており、働く人達の「価値観」も変わってきており、それらをどう捉えるかをまず考えることが先決ではないでしょうか。
降りしきる雪を見つめながら首相の演説を空しい気持ちで聞き、私が考える働き方改革とはどんなものかを心に大きく描いた1月22日の昼下がりでした。