マネジメント・リーダーシップ

事例研究:マネージャー候補が育たない

マネージャーの上野さんは今のシステム部門に異動になって1年が経ちました。
異動の際、上野さんは上司の田町部長から「品川を次のマネージャーに育てるように」と指示を受けています。
上野さんが今、最も困っていることは、その品川さんが何度言っても自分の事しか行わないことで、このままでは田町部長から言われたミッションを達成できないことです。

品川さんがマネージャーになった時にいきなり困らないようにと、上野さんは少しずつメンバーの勤怠や業務日報などのチェックを品川さんに任せるようにお願いしています。また、入社1-2年目の若手の相談には積極的に乗り、手に負えない場合には遠慮なく自分にも相談してほしいと伝えています。
品川さんは、自分の仕事はテキパキとこなし、お客様や関係部門にもとても評判がよく、上野さんの目から見てもプレイヤーとして申し分のない働きをしてくれます。実際、自分のミッションに向かっている時の品川さんはとてもイキイキとしており、成し遂げた時には誇らしげで、後輩たちも憧れるデキるプレイヤーです。
ところが、上野さんが任せている次期マネージャーとしての仕事には片手間というより嫌々やっているというか、やる気が全く感じられません。

「若手と面談の時にはノートを必ず取ってください」
「業務日報は溜めずに日々、目を通してください。」
「勤怠チェック、特に残業は何でも承認するのではなく、各自の仕事の配分なども見てあげてください。」

上野さんの細かい指示に、品川さんは「はい。」と返事はするものの、しっかりと遂行した試しがありません。
「どうしてやらないの?」
上野さんが品川さんに尋ねると、「すみません。次から気をつけます。」と言うものの、その後、きちんと事がなされたためしがありません。
度重なる注意にも改善されない品川さんに、上野さんの我慢は限界に達し、「このままでは次のマネージャーには推薦できないな。当然、査定も良い評価は難しい。」と強い口調で言ってしまいました。
品川さんはただ黙って話を聞いていましたが、最後に一言、「すみません。」と無表情に言っただけでした。

強く言い過ぎた思った上野さんですが、このままでは田町部長になんと報告すれば良いのかもわかりません。上野さんは全くのお手上げ状態になってしまい、この頃ではそのことばかりを考え込むようになってしまったのでした。

さて、ここから質問です。

問1.あなたは上野さんからこの件について相談されました。その場合、上野さんに対してどんなことを言いますか?

問2.あなたが上野さんだったら、品川さんに対してどのように関わりますか?田町部長に対してはどうですか?

よろしければ、お問い合わせページから、いろいろなご回答、ご感想を頂けましたら嬉しく思います。

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