その他ブログ

研修での一コマより~自分たちの答えを自分たちでNoと判断した素晴らしきマネージャー達

研修でのあるセッションの一コマです。

ケーススタディを利用して「『部下のKさんを上手くマネジメントできないNマネージャー』に対して、あなたならどんな質問を投げかけますか?」というワークを行いました。
出てきたものはこんな感じでした。

・あなたはKさんにミッションの趣旨を説明しましたか?
・あなたの上司の部長に、このミッションについて具体的に確認していますか?
・あなたたはKさんとしっかりとコミュニケーションが取れていますか?
・Kさんとは普段、仕事以外の話もしていますか?
・Kさんの状況を確認してフォローをしていますか?

他にもたくさんありますが、傾向としてはこんな感じでした。
なるほど! 
面白い!
学ぶ要素、てんこもり!!

出されたお題に対して前向きに一生懸命取り組んでくれての内容だということは、その場にいた私が一番よく知っています。
けれども、この質問の傾向、気づいてほしいな、あることに・・・。

そこで、こんなコトをしてみました。
「今から皆さんが今、考えて発表してくれた質問のいくつかを私がもう一度言います。皆さんはNさんになったつもりで、よ~く聞いてください。」

そう言って、皆さんが発表してくれた質問のいくつかを繰り返して言いました。
そしてもう一度全員に問います。
「皆さんが考えてくれた質問、Nさんの立場になって聞いてみたとき、何か気づいたこと、感じたことはありますか?」

すると、面白いように反応がありました。
「ムカついた」
「責められているような気持ちになった」

「どうしてそう感じたのでしょう?私の口調がそう感じさせてしまいましたか?」

「違う!・・・・。どうしてかなぁ・・・」
「限定質問だから。例えば『フォローしましたか?』とYes or Noで聞いているけど、そのあとに、『フォローしてないんじゃないの?』みたいな陰の気持ちが見え隠れする感じ。」
「そうそう、1個じゃあまり感じなかったけど、そんなのが重なってきたら、だんだんムッとしてきた。」

ブラボー!!! です。
皆さん、自分たちで気がついたのです。
一生懸命考えた質問だったけど、その質問を受け取る側の気持ちになると、受け取りづらい内容だったということに。

これも立派な体験学習(active learning)です。
私が「限定質問は相手を責めているようになる場合もあるので、こういう場合は問いの立て方を変えましょう。」などと100回言うよりも、はるかに効果的ではないでしょうか。

この後は、「じゃあ、どう言えば受け取りやすい質問に言い換えられるかな」と、皆さん、頭を悩ませながら、しかし楽しみながら前向きに話し合い考えてくださいました。

私が正解を伝えるのではありません。
皆さんが確かな何かを手に入れるために、その前提となる気づきを得るために、そのお手伝いをすることが最大のミッションです。
そこに特別な仕掛けは必要ありません。
毎回毎回の現場としっかりと向き合い、適時適切なやり取りが行えるよう、私自身の懐を深くするのみです。

本当に!
だから人の可能性は無限大!!!
人間って、まったくもって素晴らしい!!!
そう思うのです。

タイトルとURLをコピーしました