マネジメント・リーダーシップ

コミュニケーションは思いやり

公園の草地エリアでノーリードで元気に走り回っているワンコたち。
もうすぐ生後4か月になろうというラブラードールちゃんの間をチョコマカとすばしっこく駆け抜け、時にラブちゃんに飛び掛かる元気が有り余っている1歳のチワワ君。
チワワ君はノーリードですが、ラブちゃんはまだノーリードにできないため、2匹が乱れ合うとラブママは大変。
それに、体重差は3倍以上。ラブちゃんがチワワ君を踏んづけてしまいそうになることもあり、間違えばケガをする恐れもあり、見ている周囲はハラハラします。

ところがチワワ君のママは、他のワンママたちとのおしゃべりに夢中になって、チワワ君からは完全に目を離してしまっていました。
見かねたベテランワンママさんがチワワママに声を掛けましたが、「ふ~ん」と言った感じ。
仕方なく、ベテランワンママがチワワ君を確保。

すると、チワワママが言いました。
「あれ? 離してもらってていいんですけどぉ。チワワ君、ちょっとくらい痛い目にあった方がいいんですよ。言うこと聞かないんだからぁ。」
絶句してしまったラブママとベテランワンママの目はまんまる。開いた口がふさがらない。と言った感じでした。
傍にいた私は、お節介だとは思いましたがチワワママに言いました。

「そうだよね。チワワ君、ヤンチャ度だいぶ高いもんね。ママも大変だよね。けどさぁ、加害者になるの、みんな嫌じゃない?」

全く悪気がなく言葉を発したチワワママでしたが、私の一言で、ハタと気づいたことがあったようでした。

「そっかぁ。そこまで考えてなかった。チワワ君がちょっとおとなしくなればと思っただけだったんだけど。ラブちゃんママ、ごめんなさい。ゆうたくんママ(私の事)、どうもありがとう。」

ようやく気がついたか・・・ と一安心の様子のベテランワンママ。
言われなくても気づけよ・・・と言いたげだったラブちゃんママ。
まあ、とにかくチワワママは「気づいた」のですからこの場は良しとしましょう。

一部始終のやり取りを見ていたシーズーママが私にコソリと言いました。

「あの時、私だったら、ゆうたくんママみたいに『チワワママも大変だよね』とか言わずに、『チワワ君はケガしてもいいかもしれないけど、加害者にされた方はたまらないわよ!』って怒ってたかも。やっぱり、言い方ってあるのね~。」

思わず苦笑いです。
こちら側の感情をぶつけてしまいたくなる時は誰だってあります。
かく言う私だってしょっちゅうです。
けれどもここで気をつけたいのは、目的は「感情をぶちまけてスッキリすること」なのか、「チワワママにもう少し深く考えてもらいたい」ことなのか、そのどちらですか? ということです。
前者なら、言いたいことを言えば良いのです。
しかし、後者であるならば、やはり「相手が受け取りやすいメッセージ」として伝えなければ、今は全く見ていない視点から物事を見てもらうことはできません。
そのためには、「いったんは受け止める」、そして「緩やかにボールを投げ返す」といった手順を踏むことが必要だと思うのです。

相手にボールを投げ返してほしいのであれば、受け取ったあと投げ返しやすいボールをこちら側投げてあげる工夫も必要でしょう。
いきなりの剛速球で受け取るのが精一杯だったり、受け損なってしまうような荒れ球であっては、投げ返したくても投げられないからです。

「結局さぁ、コミュニケーションにも『思いやり』が必要って事なのかしらね~。私、思いやり、足りないからね~。ふふふ。」
そう笑ったシーズーママ。
本当にそうかもしれません。
コミュニケーションにも思いやり。
結局、他者とのコミュニーケーションが上手に密に取れている人は、相手に対する思いやりに満ちているということなのかもしれませんね。

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