「あなたは何のために今の仕事をしているのですか?」
この質問をすると、年次が上の方ほど同じ答えが返ってきます。
「決まってるじゃないですか!食うためですよ。」
「遊んで暮らせる金があったら、好き好んで仕事なんかしないですよ。」
強がりではなく、かなり本気で仰る方が多いのです。
一方、ピッカピカの新入社員から若手と言われる入社3-4年目くらいの「今どき若者」に同じ質問をすると、違う答えが返ってきます。
「〇〇で成長できる」
「社会貢献」
「チャレンジできる」
今どき者の三種の神器とも言うべき「成長・貢献・チャレンジ」などの返答が返ってくるのです。
彼らの答えがよそ行きかどうかは別として、先に「食うため」と比べた時、あなたは何を感じますか?
あなたが経営者だったら、どちらの社員を採用したいですか?
人間、生きていくのに(食べていくのに)、いくらからのお金は必要です。
よほど資産家の家庭に生まれて一生食べるのに困らないだけのお金が有り余ってない限り、誰もが働いてお金を手にする必要があります。
ただ、「食べるため」だけに仕事をするのと、「それ以外の何かを得る」ために仕事をするのとでは、目的意識が全く違います。
食べるためだけに、つまりは、お金を得るためだけに仕事をしている人は、お給料が下がったとたんにモチベーションがガクンと下がり、「やる気ない・・・」となるでしょう。
役職定年で生きた化石のようになってしまう人は、見事にこのパターンかもしれません。
一方、役職定年を迎えてタイトルがなくなり、お給料が下がっても、イキイキと働いている人はたくさんいます。
そういう方達は、もちろんお給料が下がることは残念ではありますが、「働き甲斐」をお金以外のところにもしっかりと見つけているのです。
「この会社が好きだから、お世話になったから、恩返しに後輩を育てる。これからはどれだけ社員が育ったかが自分へのご褒美だ。」
そう笑顔で仰る59歳の前部長さんは輝いて見えます。
「働き方改革で若手は今、環境の変化にうまく対応できなくてアタフタしている。今こそ、『チャレンジ』とはどういうことか、そこから得られる『成長』とはどういうことかを、身軽になったからこそできると思ってるんだ。」
若手社員の先頭に立って、働き改革の取り組みチャレンジしている57歳の前課長さん。お給料は以前より3割も減ったそうですが、変わらず元気に前向きです。
皆さん、本当にイキイキとしているのです。
職場を共にしている若手社員から見ても、彼らは「しょぼくれオヤジ」ではなく、「見習いたい先輩・元上司」のようです。
「あなたは何のために今の仕事をしているのですか?」
一人でも多くの人が笑顔で働けるように。
仕事で幸せを感じる人が一人でも増えるように。
今の時代に相応しいリーダーが一人でも多く生まれるように。
変わりたい人が笑顔で「変わった!」と言えるように。
そして、自分自身が人として成長するために。
たくさんの笑顔に触れることで自分自身も笑顔でいるために。
私はそんな思いで仕事をしています。
もう一度、問います。
「あなたは何のために今の仕事をしているのですか?」