あなたの会社オフィスには休憩室スペースにいくつかのソファーが設置されていて、そこでコーヒーを飲んだり読書をしたり、ランチタイムにはお弁当を食べたりとくつろぐことができます。
ところが利用者にはマナーの悪い人もいて、コーヒーの空き缶がテーブルに置きっぱなしだったり、レンタル書物を書棚に戻していなかったり、お弁当を食べた後のテーブルが汚れていたりと、次の利用者ががっかりすることが度々あります。
今日もあなたがわずかな休憩時間を利用して忙しい間の気分転換を図りたいと休憩室に行ったところ、ソファーにはスナック菓子の空き袋置きっぱなしになっており、テーブルには飲み残しのコーヒーが入った紙コップが2つ置かれたままでした。
ここで質問です。
この状態で休憩室に入ってきたあなたはどうしますか?
A:「仕方ないなぁ。誰だよ!」と思いながらも片付ける。
B:「総務は管理部門なんだからもっとしっかり管理してほしい」と内線連絡し、後片付けと掃除を依頼する。
この質問をすると、Aと答える人とBと答える人が半々くらいの場合が多いです。
場合によってはBの方が多い企業様もあります。
ところがこれが、「休憩室」ではなく「喫煙スペース」で、あなたは愛煙家という設定にすると、圧倒的にAと答える人が多くなります。
おそらく、愛煙家として日頃、肩身の狭い思いをしており、Bと言いたくても仕方なくAと言ってしまう人もいるのかもしれません。
皆が使う場所の場合と、限られた人が使う場所で答えが変わるのだとしたら、その理由は一体どこにあるのでしょうか?
不特定多数の人を対象とした場合でも、そうでない場合でも、できることなら互いが互いを思いやり、自分の事だけを考えるのではなく、次の人のことまで考えて行動を起こしたいものです。
先日ご相談いただいたマネージャーさんは、愛煙家でありながらBの行動を取ってしまい、それを喫煙仲間が知った途端、「それ言っちゃう?常識ないんじゃないの?」と言われたという内容でした。
常識は人が過去の経験をもとに勝手に創り上げるモノなので、その行動自体が常識的なのか非常識なものなのかは私が判断することはできません。
ただ一つ言えることは、「自分だけが良ければ良い」ではなく、「自分以外の誰かのために何かをする」という思いやりの気持ちをもっていたいと思うのです。
仮に総務に連絡するとしても、
「管理部門なんだからちゃんとして!」と「要求」するのではなく、「僕ら利用者のマナーが悪くて本当に申し訳ない。掃除も片付けもしたけど、利用者に再度、マナーの徹底を呼び掛けてもらえないか。」と総務に「お願い(依頼)」するのとでは、受ける側の気持ちも随分と変わってくることでしょう。
要求とお願い。
実は似て非なり。言われる側からすると天と地ほども違って受け取れることもあるものです。
そのベースにあるのは「やってくれて当たり前」か「やってもらってありがたい」かの違いではないでしょうか。
日常においてついついやってしまいがちなBパターン。
今一度、自分の心の中と行動を振り返りたいものですね。