組織開発

報連相は義務ではありません

メンバーから自然と相談や報告が上がってくるチームを作りたい
報連相が言わなくてもちゃんとできるメンバーにしたい

マネージャー達から出てきたこんなお悩みに私は質問します。
「報連相って、部下にとっては『義務』ですか? それとも『責任』ですか?」

私の質問に多くのマネージャーは「両方!」と答えます。
何を一体質問しているんだといぶかしそうな人もいます。

「そうかなぁ。義務なのかなぁ。責任なのかなぁ。
仮に義務や責任だったとしても、誰もがそれを果たすとは限らないですよね。
だって、国民年金の支払いだって年金法で定められている義務だけど、未納の人はたくさんいますよね。」

「年金払っても自分たちの世代ではもらえるかどうかさえ分からないじゃないですか!
僕らだって天引きじゃなかったら払いたくないですよ!」

「国民の義務なのに?」

「義務って言ったて、メリット感じないもの。2000万円問題とか、典型じゃないですか!」

「つまり、義務や責任であっても、自分にメリットが無かったらそうしたくないということ?」

「普通、そうなんじゃないですか?」

「だったら『報連相』は? 」

「・・・・」

「報連相しても当たり前だと言わんばかりの態度で受け取られたり、何の反応もなかったり、報連相したことでかえってデメリットを被ったりしたら、メンバーだって報連相したいとは思わないんじゃないの?
ちなみに私は20代の頃は、報告は最低限は義務だと思ってしてたけど、相談とかほとんどしなかった。メリット感じなかったから。時間の無駄だとさえ感じてた。
上司は寂しそうだったけど、そんなの知らん! って思ってた。」

「・・・」

「報連相したいな、した方が自分にとっていいな、と思えると良いんだけどね。
あ、大好きな上司の時には共有したくて報連相一生懸命したかも。
どんなちっちゃなことでもレスポンスがとても良くって、認めてもらった感や共感してもらった感がすごくあったから、報告しに行くのが楽しかった。
やる気スイッチをますます押してもらえるし、多少落ち込んでても自然と元気注入してもらってた気がする。
そういう上司の時は、めっちゃ報連相してたかも。」

「つまり、『報連相しろ!』ではなく、『報連相したくなる環境づくり』をこちらがするということですか?」

「私はそう思うという話。どうとるかは皆さんの自由。
ちなみに、若い人たちには『報連相は上司への<感謝>です』と伝えてる。
逆に言えば、その子達の上司で報連相をしてもらえない人たちは、メンバーから感謝されていない、感謝するに足りない上司ということかもね、イタイけど。」

「・・・・」

報連相を義務だ、責任だとメンバーに強いるのは、その時点で発想が間違えていると私は思います。
人は義務であろうと責任であろうと、したくないことはできればしたくないし、したいと思うこと、メリットを感じたり気持ちが上向きになることであれば言われなくてもそうします。
メンバーから報連相がないのは、マネージャーであるあなたにも責任の一端がある。
つまり、メンバー個人の資質の問題だけではないのです。
「しろ!」と命令するのではなく、「メンバーに自然にそうしてほしい」のであれば、そうしたくなるような環境(状況)を作ればいいのです。
そうしたくなるマネージャーになればいいのです。

あなたが報連相をしたくなる相手とはどんな人ですか?
あなたのメンバーがあなたに報連相をお願いします。したくなるために、あなたはどんな工夫をしますか?

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