「普通は〇〇だよね」
「僕たちの頃は〇〇だったよ」
「A君は〇〇なのに」
「どうして彼はみんなと違うんだろう」
育成で絶対にしてはいけないこと。
それは、比較することです。
「普通は〇〇だよね」は、あなたの価値観と比較して、
それとは違う、君はおかしいと言っているのと同義です。
「普通」は、見る人が勝手に普通と捉えているだけで、
世の中に絶対的普通はありません。
「一般的に」や「常識では」も同様です。
自分の価値観と部下の価値観を比べるのではなく、
部下はこんな風に物事を見るのだと理解しなければ、
普通は〇〇と言ったところで、その繰り返しになるばかりです。
「僕たちの頃は〇〇だったよ」は、
言われた部下からすれば、「だから何ですか?」というお話です。
時代は変わり、世の中の価値観も大きく異なります。
上司の頃がどうだったか、話を聞くことはできても、
それと比較して色々言われても受けいれることは困難です。
「A君は〇〇なのに」と他のメンバーと比べるのは最悪です。
もちろん、あなた自身と比べることもNGです。
誰かと比較して発破をかけてお尻をたたく。
人より遅れている、人とはズレていると危機感をあおる。
未だよくある育成方ですが、これは最も安易な方法で、
部下育成の手段としては、最も安直で、最も非効果的手段です。
どうして誰かと比べる必要があるのでしょうか。
同期に比べて覚えが悪くても、
他のメンバーよりも結果がなかなか出なくても、
そうであれば尚更、誰かと比べるのではなく、
その部下に適した関りをするのが上司の務めです。
上司であるあなたが、前任の上司よりも良い上司だと部下から言われたら
嬉しく思い、優越感を得られるかもしれません。
しかしその優越感は、場合によってはあなたの成長を妨げます。
前任の上司の方が良かったと言われたらどうでしょう。
決して良い気持ちはしないはずです。
もちろん、自分の至らないところを見つめて改善の努力をするでしょう。
しかし、いつも前任者と自分は比べられている。
あなたはどんな気持ちになりますか?
人の育成に比較は必要ありません。
誰かと何かと比べるのではなく、その人個人に向き合う事です。
決して比べることなく、部下個人を常に見て、相応しい関りをしてあげてください。
比較をしてあおっている何倍も、部下は成長を見せてくれるに違いありません。
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