Aさん
「私はチームで良く思われていないから、誰も協力してくれないと思います。」
Bさん
「みんな、自分の事しか考えていないんです。
こんなまとまりのないチームに所属していて、やる気が下がる一方です。」
Cさん
「みんなそれぞれ自立していてお互いに過干渉になることもなく、
私にとっては快適なチームです。」
3人は同じチームに所属しています。
ところが言っていることはそれぞれ全く異なります。
これはこの3人に限ったことではなく、一般的によくある事です。
同じチーム、同じ会社に所属しているのに感じ方は全く違う、
まるで別のチームの事を話しているように話が両極端ということがあるのです。
それは誰かがおかしいのではなく、それぞれが真実です。
そしてそれぞれの真実は、その人達の経験がそう感じさせるのです。
3人いれば3通りの経験があり、同じものは一つとして存在しません。
ここで言う経験とは、見たり聞いたりした事実と、
その事実に対して考えたコト、感じたコト、欲したコトなど
全てを網羅したものを経験と言います。
個人の考えや気持ち・感覚、欲求などが含まれるため、
10人いれば10通りの、100人いれば100通りの
全く異なる経験が存在するのです。
つまり、起きた事実はたった一つでも、
そこから生まれる経験は人の数だけあるというわけです。
この「経験」が実は曲者です。
考えたり・感じたりしたことを、いつの間にか自分の都合のよいように捉え、
それがその人にとっての「真実」となってしまうからです。
真実は勝手に創られた物語であり、
その人が勝手に意味づけして創り上げたその人の経験でしかありません。
ですから部下や上司、お客様など、
他人の経験から作り出された真実に振り回されるのではなく、
「事実」をしっかりと見極めて、物事の判断を間違えないことが大切です。
経験が真実を創るのです。
事実と真実は違うものだということを、常々忘れずにいたいものです。