会話において、「沈黙」には良い沈黙と悪い沈黙があります。
良い沈黙とは、それが熟考になっている時です。
深く考えている時は、
自分の奥深くに沈み込むように、
または、自分だけの世界でイメージを巡らせるので
当然ながら言葉はなく沈黙に陥ります。
この時に、沈黙を遮られる不必要な言葉を投げかけられると、
思考が中断されてせっかく浮かびそうだったアイデアが消えてしまったり、
深い納得が得られそうだったのに消化不良で終わったり、
沈黙を破った相手を恨めしく思ったりさえするものです。
良い沈黙は尊重されなければならず、
相手が沈黙を自ら破るまで待つことが大切です。
それは言うなれば、将棋のプロ棋士が、
対局相手の長考を静かに待っているイメージです。
相手の関心に関心を持ちながら待ちましょう。
悪い沈黙とは、
「この会話を終わりにしたい」という相手からの無言のメッセージの場合です。
一方的に質問ばかりされてうるさい。
売り込みもいい加減にしてほしい。
自慢話にうんざり。
上司が怖くて言葉が出ない。
会話を終わりにしたい理由は様々ですが、
この場合の沈黙は相手からの拒絶メッセージであり、
そもそも、このような状態を作ってはいけません。
沈黙を恐れる人は、もしかしたら無意識の中で、
自分が相手からの拒絶メッセージを受けていると感じとっているのかもしれません。
だから沈黙を避けようと、「火に油」の余計な言葉を重ねてしまうのかもしれません。
自分は悪い沈黙を作る傾向にあると思う人は、
沈黙時の対処法を考えるのではなく、
悪い沈黙を自ら作らないよう、自分の言動を見つめ直しましょう。
良い沈黙は「金」です。
良い沈黙を与えてくれる相手には、
「この人と話をしているとアイデアが浮かぶ」
「この人との会話は学びがある」
などの肯定的イメージを持ちます。
相手に良い沈黙を与えることができたなら、
マネージャーであればメンバーの成長を促すことができるでしょうし、
営業マンであればお客様から煙たがられることはないでしょう。
沈黙には良い沈黙と悪い沈黙があります。
悪い沈黙は作らず、
良い沈黙を提供できる人でありたいものです。