「困ったら何でも言って来いよ」
「いつでも話聞くよ」
いつもこう言っているのに誰も何も言ってこない。
だからと言って、
「たいして困っていない」と思うのは大間違いです。
ましてや、
「言ってこない方が悪い」と思うならマネージャ―失格です。
「相談しろ」「いつでも何でも言え」と大きく門戸を開いていも
「入ってみよう」「入っていいんだ」と思わなければ
人はそこに足を踏み入れません。
「入っても大丈夫」「入った方がいいんだ」と思って初めて
人はそこに足を踏み入れるのです。
部下が進んで相談しに来ないのは、
相談したいと思える魅力が上司にないからです。
ちなみにここで言う魅力とは、知識経験だけでなく、
その多くは人的魅力を言います。
「言って来いよ」「相談してね」は、「待ち」のスタンスです。
待っていても部下がどんどん来る状態に既になっていれば、
「待ち」のスタンスで問題ありません。
しかし、そうでないのなら、待っているのではなく、
マネージャ―自らのアプローチが必要です。
それは「日々の声掛け」です。
「どんな調子?」
「順調?」
どうぞ、部下の関心に関心を寄せてあげましょう。
(こちらのブログもご参考にどうぞ
「相手の関心に関心を持つ」 「正しい聴き方」)
困っていそうなのに「大丈夫」「何もない」と言っているなら
「ちょっと手伝わせて」
「頼ってくれると嬉しいな」
と言ってみるのも一つの手です。
庭に小鳥を呼び寄せたいのに飛んでこないなら
その工夫をアレコレするように、
ただ待っているのではなく、部下が来てくれるように
上司の側も工夫が必要です。
相談がない、何も言ってこないのは
たいてして困っていないからではありません。
あなたが気づいていない、あなたへアプローチするハードルが高いから、
またはハードルを超えたい、開かれた扉の中へ入りたいと思えないから。
つまり、あなたに魅力が足りないのです。
相談がない、何も言ってこないのは
部下の責任ではなく、あなたにその魅力が足りないと真摯に受け止め、
日常の関わり方から見直してみましょう。
そうすることで、単に大きく開かれた扉の向こうが
足を踏み入れことを躊躇してしまう不安の世界から、
そこに進んで入っていきたいと思う安心安全な世界に変わっていく事でしょう。
部下にとって、あなたの魅力が大きく増した時、
わざわざ「相談しろよ」などと言わなくても、
部下はあなたと話をしたくて、列をなして待っていることでしょう。