誰だって変わることができる

あなたの話が伝わらない理由

「いくら言ってもわかんないんだよな。」
「伝わらないんだよな。なんでだろう。」

しばしば聞かれるマネージャー達のつぶやき。
いえ、これらはマネージャーさん達に限ったことではありません。
夫婦間、親子間、仲間同士など、
人と人とのコミュニケーションにおいて、
発信側と受取る側のチャネルが違うと、
このようなことは普通に起こり得るのです。

「美味しそうなご飯」
こう聞いて、あなたはどんな想像をしますか?
ある人は艶々に輝く炊きたての銀シャリが、
唐津焼のお茶碗にふっくらと盛られた様子。
またある人は、ご飯にお味噌汁、煮物に焼き魚、
そこに大好きな卵焼きも添えられた昔からの和食の様子。
またある人は、あっつあつのビーフシチューに新鮮なグリーンサラダ、バゲットに
1杯の赤ワインがグラスにセッティングされたレストランでの食事風景。

「強い風」
こちらはどうですか?
春一番のようなあたたかな南風なのか。
台風の時のようなゴーゴーと音を立てて吹き荒れる突風なのか。
はたまた真冬の夜に吹きすさぶ雪をも舞い上げてビュービューと吹く北風なのか。

発する側は自分のイメージを頭に描いています。
しかし、「美味しそう」「強い」などは、
受け手のイメージでどのようにでも変わります。
だから、銀シャリをイメージして発信して受け手がビーフシチューを思い描いたとして、
「あの人には伝わらない」と言うほうがおかしいのです。

楽しい、強い、美味しい、きれい、すごい、丁寧な・・・・
このような形容詞、形容動詞は一見、分かりやすそうで、
受け取る側の主観的判断でどのようにも変わるので、
情報を正しく伝えたいときには、実は適切ではないように思います。

このような形容詞満載の表現を聞いた時、私は必ず質問します。
「その『楽しい』の中身を教えて。」
「どんなふうに『きれい』なの? 
色とりどり? 整然としているということ? 
デコラティブに飾られているということ?」

誰が受け手でも遜色なく同じ理解ができるような表現を
こちらから引き出します。
できるだけ客観的かつ具体的な表現を求めて質問します。
数字で表現できるのなら数字を使って。
色や比喩も良いですよね。
意外にも、オノマトペを使うのもわかりやすいです。

「伝わらない!」と嘆く前に伝わる言い方を。
「言っている事がわからない!」と腹を立てる前に、こちらから質問を。
そうすることで、
もっとお互いのことが理解し合えるようになるに違いありません。

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