私たちが見ている、聞いているコトのすべては、
自分が見たいように見て、聞きたいように聞き、
感じたいように感じていることです。
すべての事柄は、自分のフィルターを通しており、
それがその人にとっての真実であったとしても、
事実がどうかは別の話です。
メンバーに対して苛立ちを感じたり、
チーム状況に不満を持つとき、
それは、あなたから見た真実に対して抱く感情です。
では、あなた以外のメンバーは、どのように感じているのでしょうか?
相手から見た見え方、感じ方を知ることができたなら、
あなたの苛立ちや不満は、別のモノに変わるかもしれません。
「なるほど、そんな風に思っていたのか」
「そんなこと、考えもしなかった」
相手の気持ちを知ることで、あなたの不機嫌はどこかに吹き飛び、
もっと歩み寄ろうという気持ちに転じるかもしれません。
相手の気持ちを想像する時、
その多くは、自分の頭(思考)のままで想像します。
そうすると、考えや感じ方のベースは自分なので、
相手の考え方や感じ方に至ることは難しい場合が多くあります。
相手の気持ちを想像するのではなく、
「相手になって感じてみる」ことが大切です。
失敗を恐れて前へ進まないメンバーA君に苛立つのではなく、
A君になって、A君の感情を実際に味わうのです。
私のコーチングでは、「あなたは今からA君だからね」と
A君になりきってもらって会話を行い、
その延長線上で、A君脳のままに、感情を吐露してもらいます。
そののちに、A君から自分に戻って感想を話してもらう時、
多くの人は、「A君がこんな風に考えていたなんて・・・」
とその発見に驚きます。
自分の頭で相手の気持ちを想像するのではなく、
相手になってその感情を味わってみる。
そうすることで「わかる」ことは山ほどあります。
必然的に、解決策や今後の取るべき方法は変わってくるというものです。
自分が見ている、聞いている、感じているモノはすべて、
自分のフィルターがかかっていて、
自分にとっての真実ではあっても、事実とは異なる。
このことを決して忘れてはいけません。
これが分かっているだけで、
相手の話にもっと真剣に耳を傾け、気持ちを聴き、
人として尊重した関りが可能となります。
それは、100のスキルを駆使した関りよりも上質な関係性を築き、
より良い結果へ向かう最短ルートとなるのです。