戦略人事経営幹部育成

リーダー育成メンバーを選ぶ時の考え方

若手リーダー育成、次世代育成など、数年後を見据えてリーダー育成を選抜で行おうと考える時、候補選考において気をつけなければならないことがあります。
それは、「これまでどのような結果を出してきたか、今どんな結果を出しているかは関係ない」ということです。

オリンピック出場選手を選ぶ時は、その時点で結果が出ている人、結果を出せそうな人を選考します。過去の結果や経験値が評価されることもあるでしょう。
しかし、4年後、または8年後のオリンピック活躍を期待して強化育成選手を選ぶ際には、その時点での結果ではなく、ポテンシャルを最重要視して選ぶはずです。

ビジネスも考え方は全く同じです。

最も重視されるべきは、その人のまだ発揮されていない潜在能力やそもそもの資質、将来的伸びしろを含めた能力でなくてはいけません。自らで自らの能力を高め、最高の状態を引き出すことができる、セルフコントロール力もそこには含まれます。

次に大切なのは、人柄です。育成候補なので、人格が既に出来上がっていなければならないということはありません。しかし、リーダーになるということは、彼・彼女から指示を受け、少なくない影響を受けるメンバーが存在するということです。メンバーから「人として最悪」「この人をリーダーに持つなんて不幸の極み」と思われる人ではいけません。
トレーニングによって人となりも高めていくことは十分に可能ですが、「人に興味関心が全くない」「極端な利己主義」などの場合は、どんなに優れたパフォーマンス発揮が期待できるとしても、リーダーとしては失格であり、最初から候補に選ぶべきではありません。

また、コミュニケーション力と適応能力のポテンシャルが、一定レベル以上必要です。
リーダーのコミュニケーション力は大きな武器の一つです。メンバーの共感を引き出し、勇気づけ、鼓舞し、ゴールへの旅を共に歩んでいく際、豊かなコミュニケーション力が求められます。外部人脈作りにおいても、コミュニケーション力は重要なカギとなります。知識やスキルが優れていても、コミュニケーションに欠陥と言えるほどの難があるのなら、プロフェッショナルコースを選択すべきであり、人をまとめて率いる立場に就くことは避けた方が賢明です。

また、価値観や常識が次々に変わっていく時代において、固執した考えしかできなければ時代に取り残されてしまうばかりです。変化を苦とせず、楽しみながら柔軟に適応していく力が21世紀を生き抜くリーダーには求められます。
持論や過去に固執して、変化を受け入れようとしない姿勢では困ります。まだ見ぬ誰も知らない世界に対して、ワクワク興味関心を持つことはあっても、最初から否定で始まるような思考の持ち主では、これからの時代を担うリーダーとしては不適切です。

リーダー育成候補を選ぶ時、これまでどのような結果を出してきたか、今どんな活躍をしているかは関係ありません。
重視すべきは①リーダーとしての潜在能力 ②リーダーとしての人柄潜在力 ③コミュニケーション力と適応力の資質 の3点です。
選ぶ側の目をよほど養わなければ、これら適性をしっかりと見抜くことは非常に困難です。

リーダー育成プログラムの充実を考える時、最初にすべきは誰を選抜するかです。
過去の成果や今の結果に踊らされるのではなく、選ぶ側が真贋を確かに見分ける目を鍛えなければいけません。

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