「採用がうまくいかない」という声を、いろいろな会社で聞く。
副業サイトでは「採用のプロ」募集案件をしばしば目にする。
求人を出しても応募がない。
スカウトしても反応が薄い。
面接で採用オファーを出しても辞退される。
「人材が足りない」「今は売り手市場だから」と言われるが、理由はそれだけだろうか。
そうだとしても、応募が殺到している会社は存在している。
殺到する会社と、そうでない会社の違いは、何なのだろう。
多くの企業が、「どんな人材を採るか」「どう見極めるか」に意識を向けている。
つまり、「誰を選ぶか」の視点だ。
もちろん、それは大切だ。
でもそれだけでは、人は来ない。
なぜなら、今の時代は、会社が人を選ぶのではなく、求職者が会社を選ぶ時代だからだ。
採用は、企業が「選ぶ」場ではなく、「選び、そして選ばれる」場であるべきだ。
にもかかわらず、自社の魅力や、働く意味・未来の可能性をきちんと伝えられていない会社が多い。
たとえば、
・条件や待遇の説明はしているが、「この会社で働くと、どうなれるか」は伝えていない。
・求める人物像は語っているけど、「この会社はどんな人を幸せにできるか」は語っていない。
・採用ページはあるけれど、“温度”がない。“人”が見えない。
ということはないだろうか?
私はコンサルタントとして、さまざまな企業の採用や育成に関わってきた。
その中でいつも感じるのは、
採用の本質は、条件交渉でもマッチングでもなく、共感と期待の橋をかけることだということだ。
「この会社の人と働いてみたい」
「ここなら、自分も成長できる気がする」
そう思ってもらえるかどうかは、制度ではなく、言葉や姿勢、関係性の中で決まる。
AIやITが進化して、他社と均質化する部分が多くなればなるほど、
「違い」は「人」で出るということを忘れてはいけない。
だからこそ、「誰を選ぶか」だけではなく、「どう選ぶか」を見直さなければならない。
候補者にどう向き合うか、自分たちの魅力をどう見せるか、
そして、どんな未来を一緒に創りたいのかを、どう伝えるか。
採用とは、“お互いに未来を託す”行為だ。
だからこそ、もっと人間的で、もっと温度のあるものであってほしい。
あなたの会社は、
“条件”で選ばれる会社だろうか?
それとも、“人”で選ばれる会社だろうか?
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