経営幹部育成

戦略を考える時に大切な5つのポイント

一生懸命に戦略を考えたのに、目的とズレた的外れなものだったり、一部しかカバーできていないものだったりすることがあります。
それは、戦略の考え方を知らないだけであり、戦略を考える上で大切な5つのポイントに沿って考えれば、誰もが正しく戦略を立てることができます。

そもそも、戦略とは戦いのあらまし(略)であり、つまり、「どうやって戦うか」ということです。誰と戦うのか、どこで戦うのか、なぜ戦うのか。戦うには意味があり、「勝つ」ために戦うのですから、「戦略は勝つために立てる」ということを忘れてはいけません。

その上で大切なポイントは次の5つです。
①「なぜ」「なぜ」「なぜ」を繰り返す
②Google アースの視点で見る
③相手の立場で考える
④目的→手段の順で考える
⑤目的と手段、手段同士の整合性を確認する

①のなぜなぜなぜは、目の前で起こっている事象に対して、「なぜ、それが起こるのか」(思う結果が出ない、共感を得られない、他社が勝つことが多い等)、「なぜ、それをするのか」(チーム再編する、〇〇を止める、他社のプレゼン資料はいたってシンプルである等)と徹底的に考え、勝つためのネタを洗い出すことです。
この「なぜ」が弱いと、ネタ不足で良い戦略を描くことが難しくなります。とにかく徹底的に「なぜなぜなぜ」と考えることが大切です。

② ①の「なぜ」を考える際、「今の自分」で考えがちです。Googleアースのように、高い視点から俯瞰的に考えることが重要です。今の自分をさながらストリートビューだとするならば、Googleアースで同じ事柄を見てみましょう。全く違う景色が見えてくるかもしれません。考える時は、ストリートビューではなくGoogleアースです。

③次に、相手の立場で考えてみます。相手とは戦う相手です。もし戦う相手が自分だいう時は、自分の本音の本音をごまかさずに、素の自分は何を考えているのかをあぶり出さなければなりません。自分の立場で考えることも、相手の立場で考えることで、全く異なることが見えてくるものです。自分の立場だけで考えるのではなく、相手の立場で考えることも忘れてはいけません。

④戦略を立てるとなると、すぐに「〇〇をやる」「△△に取り組む」など、手段(How to)を考える人がとても多いですが、これは過ちのもとです。①-③の次にべきことは、目的を考えることです。目的とは勝つ目的ですが、「何を目指しているのか」と捉えるとイメージしやすいかもしれません。会社改革をしたいから勝つ。No.1を手に入れたいから勝つ。地域貢献をするために勝つ。戦う目的はそれぞれです。目的が違えば戦い方はおのずと変わってきます。

⑤最後に、目的と手段の整合性は取れているか。手段Aと手段Bの整合性は取れているかの確認を行います。ここでズレが生じていては勝つことが難しくなるばかりか、取り組む人は違和感を覚え、やる気を失うばかりです。「戦略がない」「戦略が独り歩きしている」などのボヤキが聞こえる時は、この整合性が取れていない確率がとても高いと考えられます。最後に目的と手段の整合性、手段同士の整合性を必ず確認しなければなりません。

戦略をしっかりと立てたら、あとは実行するのみです。しかし、「愚直に実行」してはいけません。戦いの場は常に変化しており、戦う相手もまた常に変化しています。その変化に応じて戦略も柔軟に変更し、効果的なものに変えていかなければなりません。

戦略とは戦い方のあらましであり、5つのポイントをしっかりと追って立てることで、より良い戦略を立てることができるのです。


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