経営幹部育成

「決めた根拠は?」→『直感です』それってアリ?リーダーの決断力と直感の正体

「なぜ、そう決めたんですか?」

会議やプロジェクトの場でこう聞かれたとき、私はよくこう答えます。

「直感です。」

でも、本当は「なんとなく」ではなく、確信がある のです。
言葉にはできないけど、「絶対にこれが正しい」 という感覚がある。

これって、ただの勘なのでしょうか?
それとも、リーダーとしての経験がそうさせるのでしょうか?

実は、「直感で決める」ことには、明確な理由 があります。


1. 名経営者・リーダーたちが語る「直感」の正体

「直感はただの勘じゃない」
そう語るのは、一流の経営者やリーダーたち です。

📖 「直感は無数の経験から成り立つ」 —— 羽生善治(将棋棋士)


📖 「直感は、知識・経験・情報の集約である」 —— 栗山英樹(日本ハムファイターズCBO)


📖 「何もない人には、直感も湧かない」 —— 松下幸之助(松下電器創業者)


📖 「優れた経営者ほど、意思決定のスピードが速い。それは直感力があるからだ」 —— ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)


📖 「成功する起業家は、データと直感のバランスを取る」 —— イーロン・マスク(Tesla・SpaceX CEO)

彼らが共通して言うのは、
「直感とは、過去の経験・知識・学びが無意識に統合された結果、生まれるもの」
だということ。


2. 「直感が働く人」と「直感が湧かない人」の決定的な違い

「直感に頼るのは危険」
そう言われることもありますが、それは 「直感が働かない人」の話 です。

では、「直感がある人」と「直感が湧かない人」の違いは何か?」

📌 「直感がある人」

豊富な経験を持ち、成功・失敗のデータを蓄積している
多くの知識をインプットし、無意識にパターンを学習している
普段から物事を深く考え、論理的な思考を鍛えている
直感が湧いたとき、その裏にある論理を説明できる(または言語化しようとする)

📌 「直感が湧かない人」

経験値が少なく、データが蓄積されていない
学ぶ習慣がなく、知識のストックが少ない
普段から思考を深めず、「言われたことだけ」をこなしている
直感が働かないので、「データがないと判断できない」となる

つまり、「直感が湧かない」と感じる人は、
そもそも 経験や学びが不足している 可能性が高いのです。



3. 「直感で決める経営者やリーダーたち」—— 実例

実際に、直感を重視していたリーダーたちを見てみましょう。

松下幸之助(パナソニック創業者)

松下幸之助は、数々の経営判断を「直感」で行いました。
しかし、その直感は
「ただの勘」ではなく、膨大な経験と学びの積み重ね から生まれたものでした。

「私はデータを見ないこともある。
なぜなら、データに頼るよりも、私の直感のほうが正しいときがあるからだ。」

彼は、社員に対しても 「本を読め」「世の中を見ろ」「経験を積め」
と口酸っぱく言っていました。
それは、「学びと経験がなければ、直感は働かない」 ことを知っていたからです。


ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)

Amazon創業者のジェフ・ベゾスも、数々の経営判断を 「直感」 で決めてきました。

「意思決定のスピードが遅い経営者は、優秀ではない。
最も成功するのは、70%の確信で決断する人だ。」

彼は、「データに頼りすぎると、判断が遅れる」 と言い、
「ある程度の情報が揃ったら、直感で決めるべきだ」 と語っています。


栗山英樹(北海道日本ハムファイターズCBO)

栗山英樹氏がWBC監督時で見せた決断は、
野球のセオリーを超えた「究極の直感的判断」でした。

「直感というのは、それまでに積み重ねた情報や経験、
考え抜いたプロセスがあるからこそ生まれるものだ。」

例えば、決勝戦でのダルビッシュ有投手・大谷翔平選手の起用。
栗山監督(当時)は、単なるデータ分析ではなく、
選手たちの状態を細かく見極めた上で「ここだ!」と感じた瞬間に決断しました。

さらに、準決勝メキシコ戦では、調子が悪かった村上宗隆選手を信じて起用
結果、村上選手は 劇的なサヨナラ打を放ち、チームを勝利へ導きました。

これが示しているのは、

👉 直感があるリーダーは、数字やデータだけでなく、
「人の状態」を見抜く力がある ということ。

👉 直感で決めるためには、事前の準備・経験・観察力が必要 ということ。

栗山監督(当時)の「直感」は、決して適当なものではなく、
データ・経験・観察力の蓄積から生まれた「究極の判断力」だったのです。


4. 「直感を鍛える」ための3つの方法

「直感を鍛える」ことは、リーダーにとって 超重要なスキル です。
では、どうすれば 「精度の高い直感」 を持てるようになるのでしょうか?

① 「決断の場数を増やせ!」 経験を積み、無意識に判断の型を作る

  • 直感は、経験の積み重ねから生まれる
  • 決断の回数を増やすことで、無意識に「判断の型」ができる
  • 成功も失敗も「データ」として自分に蓄積される

「学ばないリーダーに、直感はない」 知識を増やし、思考の引き出しを作る

  • 優れたリーダーほど、本を読む・学び続ける
  • 知識をインプットし続けることで、判断の引き出しが増える
  • 知識のある人ほど、「正しい直感」が働く

「言語化できない直感は、ただの勘」 直感の裏にあるロジックを考える習慣をつける

  • 直感に頼るだけでなく、その理由を考えるクセをつける
  • 「私はこう感じた。それはなぜか?」と考えることで、直感の精度が上がる
  • 論理と言語化の訓練をすることで、他人にも説明できるようになる

5. 「直感」とは、最強の決断ツール

📌 「直感」は適当なものではなく、経験と学びの集約である
📌 成功するリーダーほど、「直感力」を鍛えている
📌 「直感に頼るのは危険」ではなく、「直感を鍛えることがリーダーの仕事」

あなたは、「直感を鍛える努力」 をしていますか?

「なんとなく」ではなく、「経験と学びに裏打ちされた直感」 を持つことが、
リーダーにとって最強の武器になるのです。

だからこそ、学び続けよう。経験を積もう。そして、直感を信じよう。




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