ロジックが鋭く、キレッキレのデキるビジネスマン。
Aさんは、まさにそんな言葉がぴったりの役員だ。
普段は左脳全開の理詰めなコミュニケーションで、部下たちも少し身構えてしまうことがある。
でも、それはAさんが無感情だからでも、部下を怖がらせたいからでもない。
自己研鑽を怠らず、誰よりも努力して、誰よりも真剣に「成果」を追いかけている人。
もともとのポテンシャルに加えて、そのストイックさがAさんをさらに高みに押し上げている。
部下たちは、その背中を追うのに精一杯だ。
そんなAさんが、あるビジョンメイキングのミーティングで、思いがけない姿を見せた。
未来を見つめながら、ふわっと微笑んで、夢を語ったのだ。
その瞬間、部屋の空気が変わった。
聴いているメンバーたちは、まるで映画のワンシーンを見ているかのような気持ちになっていた。
いつもは眉間にシワを寄せ、難しい顔でロジックを語っていたAさんが、
少年のように未来を語っている。
そのギャップに、誰もが心から驚いた。
私はつい、こんな言葉を口にした。
「眉間にシワのAさんしか見たことなかったですよ。
今日みたいに、夢を語るAさんも、もっとたくさん見せてください。
とっても素敵でした。」
Aさんは、驚いた顔でこう言った。
「え? 夢みたいなことばかり語ってたら、リーダーは務まらないんじゃない?」
ああ、なるほど。
「夢」は曖昧で、感覚的で、現場のリーダーには不向きなものだとAさんは思っていたのかもしれない。
だから“論理”に偏りすぎているのかもしれない。
現場にいるのは、感情をもった“人”だ。
正論や数字だけでは、人は動かない。
リーダーの言葉が響くのは、その中に「共感できる感情」や「ともに見たい未来」が含まれているときだ。
感情を共有するというのは、決して“ぬるいマネジメント”ではない。
むしろ、人と組織が最大限に力を発揮するために必要な“戦略的な要素”だ。
夢を語るという行為は、組織の温度を上げるだけでなく、
人の意志を引き出し、行動を生み出す“起点”になるのだ。
リーダーは、夢を語れ。
それは理想論ではなく、組織を動かす“現実的な手段”だ。
メンバーがその夢に共感し、自分自身の意志と重ねられたとき、
組織のエネルギーは、想像を超えるものになる。
だから私は、声を大にして伝えたい。
リーダーこそ、夢を語ろう。
その言葉が、人の心を、組織の未来を、動かしていくのだから。
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